バラガン邸の美

とてもインスパイアされるDVDを観た。友人のペンションオーナーから頂いたものだ。以前、青山のワタリウムで開催されたメキシコの建築家「ルイス・バラガン」のDVD。

メキシコシティにあるバラガンの自邸と庭は素晴らしい。メキシコの強烈な光の遮光と調光。それによって生まれる陰影。リビングでは、大きな十字の窓枠でワイルドな庭を眺められるが、部屋の隅は昼でも間接照明が必要な暗さになっている。台形の巨大な書見台には大好きなピカソの画集やポスターのほかお気に入りのレリーフ(彫刻)などが置いてある。

光と共にメキシコらしさが際立つのが色彩感覚で、壁に塗られたピンクやイエローがとても映える。光と影、ナチュラルさとビビッドなカラー、モダンな空間構成とワイルドな庭園。コントラストの芸術。

映像の端々に出てくるバラガンの言葉が印象深い。

孤独とは良い友達のことです。私の建築は、孤独を怖がったり、避けたりする人たちの物ではないのです。

静けさは、苦しみと恐れを真に治療します。

私の家は、私の心の避難所です。冷ややかで合理的なだけでない、心を揺り動かす建築なのです。

薄明かりは、精神を集中させることのできる場所と言う考えを表現しています。薄明かりが無くして人間は自身の抱える問題や夢に入り込んで行くことができるのでしょうか。

私は直感、そして読書と旅の間の観察を自身のベースとしています。

庭は、神秘と謎のあるべきものです。

朝7時30分から働き始め、仕事仲間と食事をし午後4時頃に働き終える生活を実践していたと言うバラガン。どこか宗教的ともいえる言葉は、バラガンが熱心なカトリック教徒だったから。
朝7時30分から働き始め、仕事仲間と食事をし午後4時頃に働き終える生活を実践していたと言うバラガン。どこか宗教的ともいえる言葉は、バラガンが熱心なカトリック教徒だったから。

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