ポートランド

オレゴン州、ポートランドのまちづくりは以前から興味があり特集号などに目を通してはいたが読売新聞のコラムに大変わかり易く参考になるレポートが掲載されていた。(建築家・東洋大講師の藤村龍至氏寄稿)

 

これによると、「公民連携」というのが大きなポイントである。何故なら日本では多種の住民サービスにより地方公共団体の財政は逼迫して現況である。なかなか都市計画の用地取得や観光・文化面の設備投資には大きな予算は掛けられない。ポートランドでは97年に地元のデベロッパーが土地を安く取得し市とPPP(公民連携)契約を結んだところからスタートしているらしい。

その開発コンセプトの大きな特徴というのが

1.「立体化しない」ポートランドでは路面電車の普及もあるが、費用のかかる歩道橋・地下道・道路の立体交差などの構造物を避け、ビルの一階を店舗とするルールによりにぎわいを連続させる。日本の界隈や路地に人が集うように。

2.「古いビルを壊さない」新しいビルだらけの街は退屈とみなされ古いビルの醸しだす雰囲気をリノベで活かすことが街の価値を上げるとみなされる。ニューヨークのブルックリンなどもそうですね。

3.「若い店主を育てる」シアトルで起業した人気のHOTEL「ACE HOTEL」の進出により地域の食材や地元の若手アーチストとのコラボで地域イメージを高めた。このHOTELは元々90年前のHOTELを新たな感覚でリノベーションしたものである。ランドマークは大規模なもので無くても良いのだと言えますね。

 

これらはデベロッパーと行政が経営感覚を持ち、少ない投資で街の個性を引き出していること。特に公共施設や都市基盤を民間の資金調達により整備する公民連携型の開発手法を採用する事が公共投資が先行して市場ニーズと釣り合わなくなるのを防ぎ「身の丈にあった開発」を可能にしているとしている。

人気の観光都市となったポートランドのケースは全米でも最も成功した例ですが、地方再生の参考になることはあるはずです。

ACE HOTELが特集の「B」マガジン
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