自然と人工の振幅

私は建築は素人だが藤森照信氏の建築を見ていると常に有機的な佇まいを感じる。それは氏が人間というものを判っているからだろうと想像する。つまり人間も自然の一部だと。生身であると。

かつて安藤忠雄氏がテレビで、ハイテクビルの中にずっといると生命力が衰えると話していたことがある。(つまり免疫力もそうだろうと思う。)アメリカなどではそれが判っているからコンクリートの柱を木で囲ったり、グリーンを置いているのだと。

それと共にインテリジェントビルのようなところに住んだり、長時間仕事をしたりする人ほど週末や余暇には自然の中に身を置く必要があると私はずっと感じている。それにより危うい振幅のバランスが取れるのではないかと。

現代人は少しずつ内なる自分のバランス感覚に鈍くなってきている気がしてならない。

焼き杉ハウスやタンポポハウス、にらハウスなど有機的かつユニークな建築で世界的な藤森氏のツリーハウス。木の上の茶室だ。
焼き杉ハウスやタンポポハウス、にらハウスなど有機的かつユニークな建築で世界的な藤森氏のツリーハウス。木の上の茶室だ。

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