大女優の人生哲学

岸恵子さんの著書「孤独という道づれ」が産経新聞のインタビュー記事で紹介されていた。

若くして渡仏、映画監督と結婚し長くフランスに暮らした大女優も86歳ですと、信じられない若さです。

 

その秘訣は旺盛な好奇心でした。

「人生にはたびたび偶然や非日常が訪れる。ひどい道を歩かなければならなくなることもあるけれど、私はとにかく乗っかっちゃうんです」

「私、人にすごく気を使うんです。だから一人になるとほっとするし、いろんな意欲が湧く」と。

 

そして死生観も超然としている。

「人が死んだら家族がしばらくは顔とかを思い出してくれるんだろうけれど、そのうち吹く風に乗ってどこかに消えていくんですよ。人って忘れて行くんですよ。そして歴史はどんどんめぐる。ひとつの「生」は宇宙という遠大なものの中の小さな欠片で、その生が終わり、次の時代がくるんですから」

 

HOW TO的処世術ではなくWHY的人生哲学を持っている人って自分ときちんと向き合って来たんでしょうね。希林さん然り、下重暁子さんも・・

今の社会を覆っている同調圧力のようなものに迎合しない清々しさと申しましょうか・・

著書「孤独という道づれ」読みたくなりました! 健康の秘訣は特に無いそう。食べたいものを食べるし運動も思い出したようにする程度。と、あくまで自然に任せているんですね。

ヒョータンの夢

時々行きたくなるレストランがある。

西池袋の「シュヴァル・ドゥ・ヒョータン」である。

オーナーの川副さんとはサンドカフェをオープンした頃からの長いお付き合い。

 

久しぶりに伺ったが今や予約の取れない人気店になっていた。

聞けば7年目の今年、道を挟んだ向かいに「Pēche de Hyotan」というデリカテッセンをオープンさせていた。

近所にシックな美容室も出来たりとレストランを核として何も無かったエリアに落ち着いた界隈を形成しつつ有るようで川副さんの描いた夢にジワジワ近づいているようだ。

 

でも川副さん、たまには千倉でまた一緒にサーフィンしましょう!

今回はカミさんの同級生の石ちゃんを誘い還暦祝いのランチを。
活きていた稚鮎に極細のパスタを巻いたフリット。奥さんの藍さんの作る料理に感動。
古い商店街の肉屋のあとにオープンしたデリ「Pēche de Hyotan」やっぱり個人商店てイイね。

久しぶりのシガー

大学を卒業して役所勤めをしばらくしていた。

今から40年ほど前の話である。

初めて配属された部署に珈琲とタバコ好きのジム・ジャームッシュみたいなオジサンがいた。

 

ダンディーなオジサンは家でドリップしたブルーマウンテンを入れた魔法瓶を持参し、お茶の時間になるとそれを私達にも振る舞ってくれた。

そして珈琲を飲みながらゴールドのデュポンのライターでタバコに火を点けていたのだがライターの上蓋を上げた時の独特の金属音が印象的だった。

 

私がガスライターの王様「デュポン」を使うようになったのは最近のこと。

今日は久しぶりにのんびりした休日だからキューバのお土産で頂いたコイーバに火を点けた。

上蓋を上げるとあのころ耳にしたキーンという心地良い金属音が響いた。

シガーにはオイルライターより点火臭の無いガスライターが合う。
ホマレさんに頂いたコイーバのピラミデ・エクストラに火を点けた。香ばしいキューバンシガーだ。
しばらく仕事絡みで休みが無かったが、久しぶりにリラックス出来た休日に流すのは怠惰な雰囲気に合うビル・エバンスとジム・ホールの「アンダーカレント」。

さすらいのデリボーイ

「そこに停まってるデリボーイはおたくのかね?」

そう言いながら白髪の親父さんがいきなりカフェに入って来た。

 

私が23年間一途に乗っているのがトヨタのデリボーイ(24年前に製造中止)。

一台目はブルーで17年乗った。

今のアイボリーのは6年とデリボーイ愛が尽きることは無い(笑)

 

しかし白髪の親父さんが乗ってきたのはレアなシルバーのキャンピングカー仕様だった。

デリボーイのキャンピングカー仕様とは!・・私は唖然とした。

中にはキッチン、ベッドが完備されておりルーフトップにはランクルのキャリアーを付け、そこにソーラーパネルや釣り竿のホルダーも載せていた。

話を聞けばこの1500ccの非力な車でどこまでも出かけてしまうらしい。驚くことにメーターが私の2倍の29万kmを指していた!これには私のデリもまだまだイケると勇気づけられました。

 

この日、親父さんと私の熱いデリボーイ談義はしばらく続いたのだった。

親父さんは修理も全て自分でやってしまうらしい。お陰で色んな情報を聞けました。
デリボーイを見かけると話しかけずにはいられない「さすらいのデリボーイ親父」に出会った。

California Expression

カリフォルニアのトパンガに住むメイソン&セレナ夫妻の自宅とお店「General Store 」を中心にした写真集「ABODE」、以前から気になっていました。

 

白く塗られた壁とナチュラル・ブラウンの2色で彩られたミニマルで抜けの良い空間は見ていて気持ちがイイ。

 

天然素材とハンドクラフト物そしてヴィンテージ家具などの絶妙なハーモニー。

 

別にこれから家を建てる訳ではないけれど、こんなインテリアや建築の写真集を見ていると時々インスピレーションを貰えます。

アマゾンでアメリカから届きました。このナチュラルで自由な感性はカリフォルニアサーファーの伝統かも・・
何気にディーター・ラムスのオーディオやイームズの椅子がありますね。トパンガ渓谷は冷えるのか薪ストーブが。

MUJI銀座

天から降ってきたみたいな「無印良品」のネーミングと「MUJI」のロゴマークを知らない人はいないだろう。

そして「これがあれば私達の生活は十分だ」というコンセプト、それを反映するアノニマスな商品群と店舗デザインは80年代の発足当初から印象的だった。

後から田中一光氏(アートディレクター)と杉本貴志氏(空間デザイン)、二人の天才クリエイター(故人)の仕事だと知った。

 

先日、無印良品銀座に行ってきました。

一階には産地直送の新鮮な野菜が並んでいたり、地下の飲食店「MUJIダイナー」や「MUJIホテル」(6F~10F)など新しい展開が盛り込まれた無印良品全商品を有する世界旗艦店は混雑しながらも楽しい所でした。

 

私が特に気に入ったのは6Fのホテルのロビー。そこには沢山の美術、工芸、伝統文化などの書籍がセンス良くレイアウトされたライブラリーがありカフェも併設されているので珈琲を飲みながらゆっくり本を閲覧出来る空間となっていた。

実は南房総にもMUJIが有るんですよ。鴨川市の「里のMUJI・みんなみの里」と白浜の「シラハマ校舎」のMUJIの小屋(販売中)です。こちらに来たら寄ってみて下さい。

そのタイトルも「無為のデザイン」杉本貴志著。バー・ラジオ、春秋、グランドハイアットホテルなどを手がけた天才クリエイターが行き着いた焼き物は李朝だった。

令和元年のGW

GWの最中、令和という新しい時代が始まりました。

即位の日、皇居は凄い数の参賀者でしたが新天皇・皇后両陛下の表情はいつ拝見しても崇高にして温かさが滲み出ておられます。

国民の為に捧げる一生ですからね・・・尊いとしか言いようがありません。

 

一転、我が家は長いGWの間二人の孫が襲来しておりました。

長女の長男、ヒナタくん5歳と次女の長男ユウくんです。

連休中の定休日、ママが友達と出かけたので我々はヒナタくんと館山ファミリーパークへ。そこには砂のお城がありました。
体操クラブに入っているヒナタくんはとにかく走ったり登ったりするのが大好き!
もうじき1歳になるユウくんですが、この歩行器で家中を動き回っていました。

実は孫達に翻弄されながらもエネルギーを充電させてもらっているのかも知れませんね。

ニュー・ヘブン

ボストンからケープコッドを旅した時「New Heaven」という地名があった。

確かエール大学がある町だったと記憶している。

日本ならその地名に相応しいのは南房総に違いないと確信する。

 

いつもサーフトリップにご一緒してもらう東京の佐藤さん夫妻が、南房総にセカンドハウスを持ったのが3年前。

海に程近い林の中にポツンと建つ一軒家は、広々した芝生とウッドデッキが開放的な週末のリトリート。

私達も時々泊まりでサーフィンやバーベキューなど楽しく過ごさせてもらっている。

 

60〜70代という人生の黄金期を過ごす場所として温暖で穏やかな時が流れる南房総を選んだ佐藤さん夫妻。このGWには子供達や友人達が大勢やって来るらしい。

 

良き人生を送れる場所・・が南房総

いつも愛犬と共にある佐藤さん夫妻。周りに民家は無いので大勢でバーベキューを楽しめる。
新しいサーフボードの感想をカミさんに話すキヨミさん。いつの間にか私達全員が60代になっていた。これからはノンビリとサーフィンを楽しみたい。
セカンドハウスの正しい過ごし方は早寝早起き。どうしても野鳥の声で目覚めてしまうのである。向こうに見えるホテルでは海を見ながら日帰り入浴が出来る。林の中を抜けサーフポイントまで歩いても6~7分。

20周年記念レコード

もう1年以上前になるだろうか、大阪の家具工房・TRUCKが20周年記念でレコード(CDも)を出した。

オーナーがセレクトした曲を集めたオムニバスなのだが、その中に10代の時に出会った忘れられない曲が2曲入っていた。

 

私が初めて聞き惚れた洋楽がプロコル・ハルムの「青い影」。(いや、モンキーズの「デイドリーム・ビリーバー」だったか?)

小学校5〜6年生の夏休み。毎日のように遊んだ海水浴場のスピーカーからある日聞こえた「青い影」。そのイントロのオルガンのメロディに心惹かれた。

その数年後に曲名を知るのだが、今でもロック史に残る名曲だと思っている。

 

高校を卒業し東京の大学に行く事になった。

憧れの一人暮らしにワクワクした反面、狭いアパートには孤独感も同居していた。

そんな一年生の寂しい夜はいつもFMを聴いていた。

好きな番組のラストに流れていたのがオーティス・レディングの「ドック・オブ・ザ・ベイ」だった。

これまた癒やされた忘れ得ぬ一曲。

 

このLPにはブルースやロック、ジャズといったジャンルの垣根は無い。

20周年という節目に自分の好きな曲だけを集めたLPを作ってしまう情熱に感嘆した。

 

私はといえばサンドカフェが今年25周年を迎えた。

やはり単に通りすぎる事が出来ない節目である。

さすがにLPを作ることは出来ないが長年のご支援に感謝を込め、ささやかな記念の品を準備せねばならないと思っている。

マディ・ウォータース、ボブ・ディラン、ジミー・クリフ、ジャニス・ジョプリンやビリー・ホリデイなどグッデイミュージックが納められた一枚。さて私は何作ろうか?

サンドカフェ・GWのお知らせ

4月27日〜5月5日(4/30、5/6はお休み)のGW期間中サンドカフェはメニューを限定させて頂きます。

 

GW期間中はドリンクとデザートのみのメニューとさせて頂きます。(営業時間は平常通りです。)

 

カレー・ピザ・ランチ等はお休みさせて頂きます。(お食事は「トーストとサラダのセット」のみ)

遠方からサザエカレー等を召し上がりにいらっしゃるお客様もあるかと存じますがご容赦下さい。

 

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願い致します。

GW良い天気を期待しましょう!

米寿と還暦

私の母とカミさんは同じ誕生日。

その3月26日、母の米寿とカミさんの還暦を身内で祝いました。

 

久し振りに姉と妹が来たので私達兄弟3人が揃いました。

でも姉は鴨川、妹は町内に住んでおり皆近いんですけどね。

子供たちが近くにいるって親にとっては幸せな事なんでしょう。

 

母が東京の女子大に行っていた時の話なんかを聞けて和気あいあいな時を過ごしました。

場所は、とんかつ「みやはん」さん。昨年ご夫婦で千倉に移住しお店を開かれました。国立で料理屋を長く営まれていただけあり和のコース料理を美味しくいただきました。

ユーミン

カミさんの還暦を記念してユーミンの武道館ライブに行きました。

やっぱり、何かの節目の時にはコンサートとか旅行に行きたくなりますね。

 

14歳で作曲を始め、16歳で「ひこうき雲」を作った天才少女も今や65歳のカリスマ。

でもユーミン、少女のように可愛かったんですよ!

哲学者のエリック・ホッファーも言っています。

「成熟するとは5歳の子供の真剣な遊び心を取り戻すこと」だって。

セーラーやウエスタンなどのコスチュームでステージ上を動きまわり、東西南北のファンを楽しませてくれたユーミン、格好良すぎです。

 

もう一つ、舞台装置がハンパ無いんです!巨大な回り灯籠を模したファンタジーワールド。

旦那さんが何かで言ってましたね「ステージにお金かけ過ぎ」って。

あれだけこだわったステージ演出できるのは世界広しといえどもユーミンだけでしょう。

もう、お金じゃないんでしょうね。矜持というか・・夢ですかね・・

アンコールの「ひこうき雲」と「やさしさに包まれたなら」・・グッと来ました。

キャロル・キングとジェイムス・テイラーのコンサート以来の武道館。あの時は桜の時期だったな!
若かりし頃「ひこうき雲」や「ミスリム」をずいぶん聴いていました。でもユーミンの今の夢は「シンガーソングライターとして長く活動して行きたい」と頼もしいお言葉でした。

キューバ後遺症

「どーでも良くなっちゃいました!」と、キューバから帰って来たホマレさんが言った。

そう、あの国の人々は愛と音楽が全てだから・・と思った。

 

南房総の片隅でカフェを長く続けていると感性を共有できる方達に遭遇する。

そして何故だか50代の方が多い。

ホマレさんは、さいたま市でヘアサロンを展開されている融通無碍な感性の方。

今回の旅ではハバナ旧市街のCASA(民宿)に泊まり、地元っ子の行く床屋で髪を切り、観光客の来ないバーでモヒートを飲んだりとディープなキューバ旅だったらしい。CASAの周りの家々は窓もドアも開けっ放しで朝から音楽が聞こえてくる。日本なら近所迷惑なところだが音楽が聴けるのはラッキーだからと逆に喜ぶ人々の住む国・・

ホマレさんの「僕、プライドが無いんでどこでも入っていけるんです!」って言葉が私の胸に刺さった。

 

皆さん、キューバに行くなら少しでも早いほうがイイですよ!

でもホマレさんみたいに帰ってから後遺症に悩むんですがね・・

ハバナカットがお似合いのホマレさん。キューバはトリニダーの珈琲豆、カミさんの崇拝するゲバラのポスター、私の好きなコイーバのシガーをお土産に頂く。
キューバ旅行用にネイルスタッフさんに描いてもらったというゲバラとキューバ国旗。これを見せて「オラ!」と挨拶すればハバナっ子とはすぐ仲良くなれたそう。洒落っ気に溢れる人です!
私のヒュミドールに収まった右側の4本のコイーバのピラミデ・エクストラは高価なもの。特別な日に味わいたいと思います。
千倉に来るとお袋に会いに「デイズギャラリー」にも寄ってくれる心優しきホマレさん。

おじいさんのワルツ

このところ「STAN GETZ & BILL EVANS」というアルバムの「Grandfather’s Waltz」にハマって毎晩のように聴いている。

普段は心落ち着くスローなピアノ系ジャズが中心だが、時にはテナーサックスのスウィング感ある曲もイイ!

十代で初めて買ったジャズのレコードはソニー・ロリンズ。「セント・トーマス」って乾いたノリの曲が好きだったから。

 

「Grandfather’s Waltz」は、このアルバムに違うバージョンで2曲入っているので聴き比べると楽しい。

昨日は1曲目のバージョンが気に入っていたのに今日は2曲目の方が良くなったり・・

そして知らぬ間に体が揺れている自分がいる。

 

春はすぐそこ。心躍る「おじいさんのワルツ」を聴いて欲しいな!

このアルバムはスタン・ゲッツがメイン。スタンダードジャズって時代が変わっても全く色褪せないよね。
家に帰ってお酒を飲みながら1時間は音楽を聴く毎日。

喪失感

町から本屋が消えていると聞いて久しい。

そして私の町の本屋も突然シャッターを下ろし消えた・・

 

そこは十代の頃から何十年と通った本屋だった。

穏やかな波長の店主と他愛ない会話をよくしたものだった。

今の時期なら「今年の花粉はキツイね!どう鼻の具合は?」などと。

雑誌を立ち読みしていると飼い猫が私の足に絡んできたり。

そうそう、私が二十歳くらいの頃、アルバイトのお姉さんがいて私より三〜四歳年上だったかな。

柔らかな雰囲気をまとった綺麗な女性で、会計の時ドキドキしていた記憶がある。

(不思議なもので、今その女性は時々私の店にランチを食べに来てくれるのだが・・)

 

思い出多かった町の本屋が消え去り、私のアイデンティティの大切なカケラも何処かに行ってしまった。

この平成はそんな喪失感と共に幕を閉じつつ有る。

シャッターを閉めてから少しした後、その姿は消えてしまった・・貴方にも有る事でしょう!自分のオアシスのような場所を喪失した経験が。

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