あの頃の靴

下駄箱を随分久しぶりに整理していたらあの頃の靴が出てきた。モカシンが二足。20代後半から30歳くらいのまだ結婚したばかりの頃だろうか。懐かしい。

20年以上前の靴だがカビとほこりを落としたら今でも履けそうなので陰干しをしてミンクオイルを塗った。二足とも中敷にRED WOODのマークが入っていたので渋谷系のショップで購入したものだろう。

思い出したが、あの頃すごく憧れていた靴が一足あって、どうしても欲しくて雑誌の切抜きをいくつかスクラップし、コーディネートまでイメージしていたんだった。ヒザの抜けたチノパンに白のオックスフォードボタンダウンシャツとグレーのカシミアのカーディガンを合わせるとか。その頃パリのフレンチトラッドのセレクトショップ「エミスフェール」もあったな。

フランスのJ.M.WESTONのクロコダイルのローファー。欲しい、欲しいと思っていたら値段もどんどん上がり私の1ヶ月分の給料よりも高くなってしまいとうとう買えなかった。懐かしい。

靴もそうだが最近は本当に欲しいものを少しだけでイイ、長く使い込みたいと思う。
靴もそうだが最近は本当に欲しいものを少しだけでイイ、長く使い込みたいと思う。

晩夏から初秋へ

キューバの歌姫、いや私は世界最高峰の歌姫だと思っているオマーラ・ポルトォンドの「gracias」がイイ。オマーラの歌を聞いていると、フワッとした大きな何かに包まれている気持ちになる。慈愛のような。

サティが「音楽の家具」ならオマーラは「音楽の宝石」といえる。例えば私の好きなオパールかな。

ラテンを集中して聞くのは夏だが、このアルバムは夏の終わりから初秋が似合うと思う。毎夜、ラムを飲みながらオマーラの歌声に擁かれていたい。秋の虫の音色が歌声に混じり合う。

Thank you very much, OMARA. 日本のオマーラは誰だろうか?いや居ない。そして世界でもこうゆう人ってどんどん居なくなっている。歌姫はもうすぐ80歳になるという。
Thank you very much, OMARA.
日本のオマーラは誰だろうか?いや居ない。そして世界でもこうゆう人ってどんどん居なくなっている。歌姫はもうすぐ80歳になるという。

残暑お見舞い申し上げます

このところ毎日酷暑が続きますが、いかがお過ごしですか。

都会ではエアコン無しでは寝苦しいことと思いますが、千倉は網戸にしておくと南風が心地よく朝方には布団を探す時も珍しくありません。

今日久しぶりに水丸さんが来てくれました。長袖のワークジャケットを着ていたので暑くないのですか?と聞いたら「夏は厚着、冬は薄着なんだよ」と笑っていました。相変わらずカッコイイ人です。

とにかく、体には気をつけてこの暑さを乗り切ってください。夜、秋の虫が鳴き始めています。

秋のことはAutumnと学校で習ったが、アメリカではFallと言うのだとLL.Beanのカタログで知った。
秋のことはAutumnと学校で習ったが、アメリカではFallと言うのだとLL.Beanのカタログで知った。

ジオラマ

夏の日差しが照りつけるSand CAFE。ロングボードを助手席に乗せたオープンカーが駐車場に一台止まっている。

以前頂いた小さなサンドカフェの模型に駐車場や植栽が加わり、ジオラマになった。

今回も偶然オールドサーファーの方が作ってくれました。千倉在住の私と同年代の方。鉄道模型が趣味だとは知りませんでした。
今回も偶然オールドサーファーの方が作ってくれました。千倉在住の私と同年代の方。鉄道模型が趣味だとは知りませんでした。

Summer Pink

サルスベリの木を夏の間だけ「Summer Pink」と勝手に呼んでいる。高い青空、入道雲にピンクの花が映える。

自宅だけでなく、町のあちこちでもこの花木を目にすることができる。

庭に植えてから20年以上経つ。このところよくカイガラムシなのか幹が黒くなる病気になることがある。
庭に植えてから20年以上経つ。このところよくカイガラムシなのか幹が黒くなる病気になることがある。

縁のある蝉

朝、和室の網戸を開け濡れ縁を見たら蝉の抜け殻が止まっていた。縁側に蝉の抜け殻は珍しいと周りを見渡したら、まだ殻から抜け出たばかりの白っぽさの残るアブラゼミが地面に居たのだった。

そのままにして置いたが無事飛び立ったのだろう。

前世が虫だったというような話しをテレビで聞いたりするが、ウチの縁側に来たあの蝉は誰だったのだろうとか考えてしまった。

私の来世が人では無く虫ならば夏の虫が良い。出来ればトンボ。オニヤンマ、いやギンヤンマが良い。夏空に漂うギンヤンマが良い。トンボほどきれいに空に漂う虫はいないから。
私の来世が人では無く虫ならば夏の虫が良い。出来ればトンボ。オニヤンマ、いやギンヤンマが良い。夏空に漂うギンヤンマが良い。トンボほどきれいに空に漂う虫はいないから。

真夏の夜の「夢」

「書」という表現に興味を持つきっかけとなったのが、井上有一。陶芸は、魯山人だった。

ブツブツと独り言の様に口から出た一字を書きつけたその作品の中に私の好きな「夢」がある。「花」も好きだ。

自分の中から湧き出た結晶の一字。その字を真剣勝負で書きつけるため良く枠からはみ出した。その紙からはみ出た部分が描かれた下に敷いた新聞紙ごと切り取って作品にした物もかなりある。

「書」もその人そのものが出てしまう。日常においても勇み足、はみ出てしまうことがかなりあったに違いない。

1974年の「夢」は約45cm×60cm。現代美術の抽象画を思わせるのは、井上が若いとき絵の世界に進みたかったからなのか?
1974年の「夢」は約45cm×60cm。現代美術の抽象画を思わせるのは、井上が若いとき絵の世界に進みたかったからなのか?

枯れてゆく

私の憧れる「笠 智衆」がサーファーだったらどんな乗り方をするのか想像してみた。波が来たらゆっくりと方向転換をし、なんとかテイクオフ。あとは波の推進力を利用しロングボードの上に枯れ木のように立っているのみ。余分な動きは一切無い。岸まで行き着きその日は終了。これはある意味、ミニマリズムであり禅である。

五十も半ばに近ずいてくると、何歳くらいまで波に乗っていられるのか良く考える。足腰が弱まりスタミナが無くなって来てもRYU’S RIDING STYLEなら結構イケルかも知れないと思ったりする。

緩慢な動作と間のあるしゃべり方の笠智衆。居住まいをすっきりさせ、きれいに老いた爺さんの姿がそこにある。生き方もRYU’S STYLEを見習いたい。

晩年は、確か鎌倉の自宅で毎日奥さんの点てたお茶を一服するのが日課だったという。
晩年は、確か鎌倉の自宅で毎日奥さんの点てたお茶を一服するのが日課だったという。

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