真夏の夜の「夢」2010.8.7 | 更新日:2015年1月23日込山 敏郎 「書」という表現に興味を持つきっかけとなったのが、井上有一。陶芸は、魯山人だった。 ブツブツと独り言の様に口から出た一字を書きつけたその作品の中に私の好きな「夢」がある。「花」も好きだ。 自分の中から湧き出た結晶の一字。その字を真剣勝負で書きつけるため良く枠からはみ出した。その紙からはみ出た部分が描かれた下に敷いた新聞紙ごと切り取って作品にした物もかなりある。 「書」もその人そのものが出てしまう。日常においても勇み足、はみ出てしまうことがかなりあったに違いない。 1974年の「夢」は約45cm×60cm。現代美術の抽象画を思わせるのは、井上が若いとき絵の世界に進みたかったからなのか?