うちわ話

日本の古い夏のツールが人気だと言う。浴衣、ステテコ、風鈴、そして扇子や団扇。

特に団扇は南房総の伝統工芸品として有名であるが、小津安二郎監督の「東京物語」にも団扇がいろいろなシーンで頻繁に使われていた。もっとも昭和20年代は扇風機も普及していないが。

私は、笠智衆と東山千榮子が演じる老夫婦が熱海の堤防で帰りの相談をする場面が好きだが、それ以外でも印象深いのは団扇で自分ばかりを扇ぐのではなく、普通に相手を扇いでいるシーンがあった。その相手に涼を送るという行為にちょっと心動かされた覚えがある。

民芸の祖「柳宗悦」が惚れた染色家「芹沢銈介(1889~1961)」の型絵染の団扇を別冊太陽で見つけた。波や貝のモチーフに魅かれる。和洋を問わない骨董蒐集家の芹沢邸には目白の古道具「坂田」の主人も通ったと聞く。
民芸の祖「柳宗悦」が惚れた染色家「芹沢銈介(1889~1961)」の型絵染の団扇を別冊太陽で見つけた。波や貝のモチーフに魅かれる。和洋を問わない骨董蒐集家の芹沢邸には目白の古道具「坂田」の主人も通ったと聞く。

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