私の数少ない大学時代の友人達は3人とも名前に彦が付く。信彦、直彦、敏彦だ。
今回、新潟の信彦の計らいで24年ぶりの再会が実現した。卒業してからもう33年になるんだね。
上越新幹線の燕三条駅に着くと懐かしい顔が出迎えてくれた。ちょっとふっくらした信彦だった。久々の再会、積もる話は酒の席でと我々は弥彦温泉の信彦知り合いの旅館に向かった。
24年振りとは言え、毎年歳末にはお互いに郷土の物産を贈り合ったりしている為か時差を感じない。いやそれが同窓会なのだろう。前回六本木で会った時は4人とも公務員や銀行員と堅い仕事に就いていた。
人生いろいろ、直彦以外の3人は個人の仕事に変わっていた。漁師、運転手、カフェのオヤジと。それもそうだろう、学生時代の我々はクラスやグループに馴染めないタイプの奴ばかりだったから。
私も自分で「個人の人」だとよく思うことがあるが、こうしてそんな奴らが時を経て新潟の温泉で酒を酌み交わしている時間を味わっていると「縁て不思議だよな」などと純な気持ちに舞い戻る。