スキーリゾート考

ナタリー・ドロンとルノー・ベルレー主演の「個人教授」(1968年)というフランス映画を観ていたらスキーリゾートでのシーンがあった。

確かアボリアーズというスキー場だと思うが、古くからの建築様式で建てられたホテルやレストラン、クラブなどが程よく自然に溶け込みヨーロッパ人のリゾート感が伝わって来るようだった。ゆったりと自然の中で充足した倦怠を味わう仕組みを彼らは知っているのだ。

かつて日本にはスキーブームがあった。シーズンともなると大渋滞の道路と長いリフト待ちの列、それも日帰りや一泊くらいのハードスケジュールで皆スキー場に押し寄せた。ユーミンを聞きながら。

今、そのスキー場は閑散としていると言う。ロマン無き採算至上主義では良いリゾートは出来ないし、時が経ち淘汰されてしまう。(私は二十代の時影響を受けた浜野安宏氏の書いた「リゾート感覚」という本を思い出していた。)

ただ私の中では、あの頃せっせとスキー場に通った五十代~六十代の人達が子育ても一段落し再び雪国に回帰すると思える。もうちょっとゆったりと落着いたスタイルで。実際少しづつその兆候があるらしいが・・

晴れた日のスキーの気持ち良さ、のんびり温泉につかり、地酒を飲みながら郷土料理を味わう。昔とは違う、そんなスキー旅行を再びしてみたい。

高校生の時ファンだったナタリー ドロンは相変わらずコケティッシュな魅力を放っていた。
高校生の時ファンだったナタリー ドロンは相変わらずコケティッシュな魅力を放っていた。

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