ガリ、ガリ、とハンドルを回しコーヒー豆を挽く。
キッチンにいい香りが広がる。
休日の朝の日課。
今までプジョーなどいくつかコーヒーミルを使ってきたが、この固定式のタイプに落ち着いた。
70年代のイギリスはSPONG社のコーヒーミル。鋳物で頑丈ゆえ孫の代まで使えるだろう。
ガリ、ガリ、とハンドルを回しコーヒー豆を挽く。
キッチンにいい香りが広がる。
休日の朝の日課。
今までプジョーなどいくつかコーヒーミルを使ってきたが、この固定式のタイプに落ち着いた。
70年代のイギリスはSPONG社のコーヒーミル。鋳物で頑丈ゆえ孫の代まで使えるだろう。
知り合いの方から頂いたビール「PIPELINE」がとても旨かったので酒屋さんで1ケース取ってもらった。ハワイのビールなのだが何とコナコーヒーがブレンドされている。
コナコーヒーは柔らかい酸味をもつエクセレントなコーヒー。サンドカフェでもメニューに加えてからファンも多い。
甘く香ばしいアロマと濃厚な味わいだが、苦味と炭酸感は押さえ気味なので葉巻との相性はすごくいい。
押しも押されぬ世界的アーティストとなった写真家であり現代美術家の杉本博司氏。この人のアクションに私もいつも注目しているが、最近カ-サ・ブルータスで読んだ杉本氏の文に興味深い事が書かれていた。
「パンスペルミア説」……宇宙から飛来する隕石の中にアミノ酸を含む物があり、それらが太古の海面に激突した衝撃でアミノ酸と海水が反応し原初の生命体が地球上に誕生したとする仮説。
それから何億年たったろうか?氏はこの仮説を元にした虚構の作品に写真という装置でリアリティーを与えた個展を地元NYで開いた。あまりに確信を持って語られる嘘には真実が宿るものらしいと付け加えている。
杉本氏の周到で緻密、完璧ともいえるコンセプトはコンセプチュアル・アートの生みの親、あのマルセル・デュシャン譲りのようだ。デュシャンは死後益々その影響力を増している稀有なアーティストだと氏は認めている。私は同じ意味で利休もそうだろうと思う。
シガーはゆったり時間を過ごしたい時や何かいい事があった時などに自宅で楽しんでいるが、仕事の合間やバーなどでフッと吸いたくなる瞬間がある。
そんな時にタバコサイズのシガリロは重宝する。太いシガーだと1本吸う(正確には、吹かす)のに4~50分かかってしまうからだ。
コイーバのシガリロ「CLUB」は、昨年館山のビストロで開催されたワイン会で君津のソムリエの方に勧められ、そして気に入った。短くなっても辛くならないこの「CLUB」は最近私のカバンにいつも入っている。
前世がフランス人ではないかと私が勝手に思っているノーブルな風貌の紳士。その方が貸してくれたDVDが「サン・ジャックへの道」というフランス映画。
フランスからピレネー山脈を越えスペインの先端にある聖地サンティアゴ(フランス語でサン・ジャック)まで人々は2~3ヶ月も歩いて巡礼するという。その距離1500km。
遺産相続のため仕方なく巡礼ツアーに参加した仲の悪い3人の兄弟に若者4人とスキンヘッドの美しい女性も加わり、引率のガイドも含め9人は過酷な行脚の過程でそれぞれ大切な何かに気付いていく。それは現代人が失ってきたものと同じものに違いない。
「旅は不条理に人を成長させる」と語った先達の言葉が真理だと確信させてくれた。
ある日、サーファーのお客さんと話をしていて「風に吹かれて」という芋焼酎がおいしいと聞いた。名前も良かったので取り寄せたが、なるほどまろやかで美味かった。アルコールが42~3°ある(「六代目 百合」という焼酎の原酒)ので1対1で水かお湯で割って飲んでいる。
B.ディランの「Browin’ in the Wind」は社会問題や個人の矛盾・葛藤に対して「答えは風に吹かれている」という禅問答のような歌詞だったと思うが、この焼酎の名前を考えた人も1つの答えなんて無い美味さだと言いたかったのかな。
旅のお供に欠かせない物、スイスアーミーナイフ。
栓抜き、ワインオープナーは必須だが私はハサミが付いているのが好み。
あと海外に行く時はコーヒードリップセットも必ず持って行く。プラスチックのドリッパーとペーパー。さすがにコーヒー豆は挽いていくが滞在日数分は持参する。
朝は美味しいコーヒーが無いと始まりません。
最近、ジジイ(想像だと60~70歳)になった時の夢が1つ増えて2つになった。
1つは珈琲屋と骨董屋を合体させたような店のジジイ。もう1つはレンタルボード屋のジジイ。
先月ニュージーランドのビーチにあったレンタルボード屋にそそられた。コンパクトにたためるトレーラータイプで、これなら近くの波のいいビーチに引っ張って移動しながら営業可能。
多分、その頃は歳でお客さんと海に一緒に入ってスクールなんて出来ないだろうから、レンタル専門だろう。のんびり春から初秋にかけてビーチで過ごす口実でいい。
折りたたみ式のチェアーを広げ、ラジオを聞きながらランチボックスのサンドイッチを頬張り、珈琲をコンロで沸かし、葉巻を吹かし客を待つ。
若いお姉さんがボードやウェットを借りに来たら「まあ珈琲でもどうかね、ワシが若いときはのう……」とか言いながらちょっかいを出したり。
12月になると「ゴッドファーザー」を見たくなるとシガー好きのお客さんが言った。特にパート2のデニーロがカッコイイとも。
私は、随分前に買ったDVDコレクションのことを思い出していた。そしてこの年末こそは見なければと思った。
大晦日の夜から何十年か振りにゴッドファーザーをパート1・2・3とオールナイトで一気に観てしまった。紅白も見ずに。
体に宿しているカルマ、流れている血、一度受けた恩義は生涯忘れることは無いが、一度裏切ったら兄弟でも許されることはない掟。ニーノ・ロータのテーマミュージックはシシリーへの郷愁を誘う。今回感じたがキューバでの最初のシーンで流れた音楽が良かった。
この映画、毎年見たくなる気持ちが良くわかる。
そういえばシガー好きのお客さんは、いつも黒い服装にサングラス、ストイックな雰囲気。どこと無くヒットマンを連想させる。