十代後半から二十代にかけて日本の田舎的風土、風習、人間関係に重さや暗さ、湿気を感じそれらから逃れたいと思っていた時期があった。
その反動として軽くなりたい、乾きたいからと、サーファーになったのは必然だった。
なので当然「つげ義春」の様な漫画には接近したくなかった。
先日、ランチタイムにN氏と会話をしていた時ふと「つげ義春」を読んでみたくなった。ホント何の気なしに。そしてN氏はすぐに厚い作品集を2冊貸してくれた。
今更ながらじっくり読んだつげワールド。「ねじ式」「紅い花」「やなぎ屋主人」などシュールでどこか懐かしい心象風景や闇を感じさせる。淫靡さも。
あの頃近づきたくなかった「つげ義春」の描く世界が、実は自分の中の深く暗い井戸から汲み上げた水のようなものだったんだと知った。
![さいたま市で「STRAWBERRY FIELDS」というヘアサロンを経営されているiidaさん。遠くからDAYS GALLERYに来てくださるセンシティブな感性を持つ方だ。もちろんサンドカフェにも。年代も好きな物も共通するiidaさんのブログを拝見してちょっとビックリした。私が「つげ義春」を読んだ時を同じくして「つげ義春」の事を書かれていた。偶然とはいえ不思議なものだ。](https://www.sandcafe.jp/wp-content/uploads/2014/12/1307041_.jpg)
![「紅い花」は少女の初潮を川面に流れる紅い花にデフォルメしていた。同じ紅い花でもちょっとトロピカルなノウゼンカズラがカフェの店先で満開だ。](https://www.sandcafe.jp/wp-content/uploads/2014/12/1307042_.jpg)