ある日、T氏の奥様から届いた一通の封書。
その中の手紙は生前T氏が予めしたためていたものだった。
定年後、四日目には千倉に移住。
海を見下ろす田園に居を構え、野菜を作り花を愛で、茶を嗜み、何より読書をこよなく愛したT氏。
T氏の生き方は正にカントリージェントルマンだった。
年下の私にも別け隔てなく接してくれた。
茶道の帰りには良く珈琲や甘味を召し上がりにカフェに立ち寄って頂いた。
T氏夫妻のご友人が住む鎌倉にご一緒させていただいたのは今となっては良い思い出。
黄金の60代を経て、3年ほど前からは難病に立ち向かわれていたのだが・・
