梅雨空一変夏空に。この時期は日々梅雨と夏とが入れ替わったりする。
今日の休日は、午前中からパキーンと晴れて暑くなった。こんな時は布団を干さずにいられない。好きなんです布団干し(笑)。それから扇風機を押し入れから出し掃除した。全部で5台もあった。あと簾を掛けたりした。
近所からは風鈴の音が。なんか急に夏らしくなってきた。
懐かしい夏になりそうな日本です。

我が家の廊下に古いロングボードが架かっている。20年ほど前の事だが、ハワイを特集した雑誌に写っていた一本のロングボードに一目惚れしてしまった。
黒いスイムパンツを履いた褐色の肌のロコが砂浜で手にしていたのがその板だった。ノーズ部分(テールも)は組み木が施され、スリーストリンガーがクラッシックな雰囲気を漂わせていた。小さな菱形のディケールは「Hobie surfboard」だと理解できた。
いろいろ手を尽くして調べたら静波の「Jack」という老舗サーフショップにあることが分った。そして、それはレジェンドのフィル・エドワーズが削った板でJackのオーナーがカリフォルニアから手持ちで運んできたものとのことだった。
あれから20年の歳月が流れた。千倉の海で使い込まれイイ感じのアメ色に育ったその板は、私が再び還暦後に乗る板としてスタンバイしている。


インテリアの洋書などを見ていると良くリビングのテーブルの上に何冊か厚い写真集が置いてあるが、これらを「コーヒーテーブルブック」と呼ぶらしい。
これらの本は基本的にソファーで寛ぎながらパラパラっと眺めるように見たりするのでアートや建築・インテリア、ホビーなどの写真集、しかも本自体がオブジェ的要素を持つ物がベター。
2冊のそんな類のBOOKS。
「etc」はジャンクスタイルのインテリア本。表紙の質感、裁断のラフな仕上げなど存在感もあるよく出来たオブジェ本。しかも意外に安い。
「French Seaside Style」は大好きな海系インテリア。バカンスの国の海辺の暮らしをイメージしながら眺めて見ては。

ちょっと昔、カフェを始めようとしている時に陶芸家の浅井さんから「カフェの参考になると思うよ」と、一軒の喫茶店を紹介された。
南青山にある「大坊珈琲店」。
そんなに大きくはないがシンプルな店内は、こげ茶色というかコーヒー色の世界で店内全体に珈琲の香りが染み付いているようだった。初めて入った店だが妙に懐かしい感覚と「大人っぽさ」を覚えた記憶がある。
マスターは白いシャツに黒のエプロンで黙々と豆を煎り、コーヒーを淹れていた。その職人的雰囲気に男の一徹さを感じた。ミルクコーヒーをオーダーすると信楽焼のカフェオレボウルに入れてきたのが印象的だった。何よりこの店には流行を超えたカフェのエッセンスがギューッと凝縮されていた。
それから10年程後、骨董通りに用事があり再び店を訪れる機会があった。店内の雰囲気も、マスターの一徹な仕事ぶりも、コーヒーの美味さも微塵も変わってなどいなかった。
大坊珈琲店。VANの石津さんも足繁く通ったのもうなずける。数多くの年長者が気に入り、店を育ててきたことが「大人っぽさ」を醸し出している大きな要因だろう。

体は小さいが、私より数倍タフなカミさんが日曜、月曜と2日間店を休んだ。日曜の朝コンタクトを入れようとしてギックリ腰をやってしまったのだ。きっと疲れがたまっていたのだろう。
何かアクシデントがあった時こそ、次なる試練が待っている。
案の定2日間とも、この時期にしては異例の忙しさになった。息子やたまたま家に帰っていた長女を動員したが、こんな時心強いのがスタッフのRちゃん、そしてKさん。それぞれ日曜、月曜と獅子奮迅の活躍をしてくれた。感謝。
夜、片付けを終え自宅に帰るとドアノブに白い袋が下がっていた。袋の中には、オルネカフェのパンが沢山入っていた。メモには朝食に食べてくださいと書かれていた。RちゃんとオルネのYちゃんからだった。
思わず天を仰いだ。ありがとう。

SHIPSで買ったコードレーンのセットアップ。イギリスのYarmoというワークウェアブランドのジャケットとグルカショーツ。衝動買いと言えばそうなのだが、コードレーン好きなもので……
私がまだ学生だった頃、アメ横は憧れの輸入洋品の宝庫だった。レインスプーナー、サンデッキ、OPなどの花柄長袖シャツ、リーバイスのブーツカットのコーデュロイジーンズ、ライトニングボルトやカリフォルニアTシャツ、クラークスのワラビーやケッズのブースター。その頃流行ったプカシェル、ターコイスのアクセサリーなんかもあった。懐かしい。
当時のアメ横は、きれいなビルに建て替えられる前で朽ちそうなバラックだった。でもそれが逆にゲットーの様でとても雰囲気があった。裏通りでは、小さなサーフショップの店員がブレイクし始めたスケートボードの練習をしている姿もカッコ良かった。
今では日本でも有数のブランドに成長したSHIPSだが、スタートはアメ横のミウラという一坪ちょっとの小さな輸入洋品店だ。ミウラ以外にもROOF、マルキンなどはいつもチェックしていたっけ。
その後、ミウラは渋谷の道玄坂にMIURA&SON’Sとしてオープン。渋カジブームのさきがけとなった。

2冊のアフォリズムの本がある。
一人はロバート・ハリス、もう一人はエリック・ホッファー。二人ともHOBOだった。
放浪とは人生の課外授業にも似ている。そこで出会ったり見つけた言葉、思想、哲学は教室で学んだ事よりずっと有意義である点で。
また、こういう本は、ある意味最高のトイレ本になる。バッとめくったページを読めば良いのだから。
例えば、
「人生をもう一度やり直しているかのように生きよう。あたかも一回目は失敗したかのように」V.E.フランクル
「勇気とは危機に直面した時に見せる気品である」A.ヘミングウェイ
「最も習得がむずかしい算数は、自分の幸福を数えあげることである」E.ホッファー

自分の中で理想の波乗りスタイルというのがあって、それは波に逆らわず、スムーズに、流れるように乗る事。ひとことで言うと「波と一体となる」というシンプルな姿なのだが、一生かかってもこの境地には到達出来はしまい。それには精神的高みが伴う。解脱は遠い彼方にある。
それでも煩悩にまみれた私は休日の前夜、いつものように酒を飲みながら翌日の波乗りのイメージトレーニングに余念が無い。
頭の中に波の上での理想のラインを思い描き、好きなサーファーの動画を見ては部屋の中で理想のポーズをとったりする。そんな時よく見る動画サイトはKORDUROY.tvだ。

個人事業主ゆえ色々な雑務が付いて回る。支払いなどで金融機関に出かける用も多いが、帰りの道すがらいつも本屋に寄り道してしまう。これが私の息抜きタイム。
この本屋、雑誌コーナーが道路に面しているため立ち読みしていると大変目立ってしまう。時々お客さんに目撃され、店に戻ると「今、立ち読みしてたっぺー」などとバラされてしまう。
ただ気に入った雑誌が無くても伝票類や事務用品など何かしら買って行く。同じ町内、立ち読みだけでは申し訳ない。

GWも終盤となってしまったが、何とも嬉しい出会いがこのGW中にあった。
ずっと憧れていた写真家の方がサンドカフェを訪れてくれたのだ。それも私の昨年10月3日のブログがご縁で。
小林昭氏は70年代初頭、L.Aのヴェニスビーチに5年間暮らし写真を撮り続けた。時代はドラッグカルチャー全盛期。ロングヘアーのフラワーチルドレンやサーファー、朽ちたピアー、虚ろな街並み、乾いた空気感、それらを一冊にまとめたものが「P.O.P」(Pacific Ocean Park)という写真集だ。また現在「NALU」というロングボード誌や「EVEN」というゴルフ誌にもフォトエッセイを寄稿されている。そして何より小林氏は70歳を越え、現役のロングボーダーでもある。
私が小林氏の個展のポストカードを勝手にブログ写真に使わせてもらったのが奥様の目に留まり今回の出会いとなった。ブロガー冥利に尽きるとはこの事。
カフェのデッキで奥様と愛犬を撮影したり食事をされている光景がとても和やかで素敵だったし、Gジャンとツイードのハンチング(キャスケット)を格好良く着こなしている氏を拝見し「こんなカッコイイジジイ(失礼!)になりてーッ」と思わずにはいられなかった。
