先日、安西水丸さんの奥様が突然ランチに来てビックリ。
NHKの「日曜美術館」の撮影で千倉に来たとの事。
今月、水丸さんの一周忌に合わせ「日曜美術館」で水丸さんの特集があります。
15日(日)朝9時から放送です。
再放送は、22日(日)夜8時からです。
水丸さんの心象風景「千倉」がどのように撮られているか興味深いです。
お見逃し無く!
今、あらためて見返しています。もう一年になるのか・
ICHIROさんは高校の美術部の一つ先輩。
美大を卒業後、ステンドグラスの仕事をしていたが実家の水産加工業を継ぐため千倉に帰って来た。
私は、今度始めるカフェの壁に飾りたいからと海をイメージしたステンドグラスをお願いした。
それは、随分昔のこと・・
サンドカフェの白い壁に飾られたそのステンドグラスは遺作となってしまった。
高校の時から抜群にデッサンが上手く才能のある人だったが、家業の仕事中に頭を怪我してからは放蕩していた印象だった。
昨年末、ICHIROさんが生前足繁く通っていたワインバーの閉店パーティーがあった。
私はデッキで知人たちとホロ酔いで談笑していた。
午後9時を過ぎた頃だったか、私は右肩にブルブルっと電気が走ったような強いショックを感じた。
瞬間的にICHIROさんが来たのだとわかった。
特別そっちの感覚は敏感な方じゃ無いがその時は不思議にそう確信出来た。
ICHIROさんはワインバーにお別れをしにやって来て私に挨拶してくれたのだろう。

もう何十年もサーフィンをしてきたにも関わらず、海に入る前はいつも気が逸る。
普段、何事にもゆっくりアプローチしていく私とは全く違うせっかちな私がそこに居る。
西田幾多郎先生はそれを「絶対矛盾的自己同一」と説いたとか?
絶対的に矛盾した両者が自分の中に内在する。
海に着いて波をチェックするなり誰よりも早くウェットスーツに着替え、WAXを塗るのもそこそこに海に向かう私が居る。
そんな自分をもう一人の自分が「いつまでたっても小僧みたいだな!」と呆れている。
海に来ればピュアでフレッシュな自分に出会える。

「レモネード」がカフェのメニューに加わった。
地元産のレモンを何十個も絞り、砂糖とハチミツを加えて作ったビタミンCたっぷりの濃縮ジュース。
それに炭酸を加えてレモンスカッシュにしたり、熱いお湯で割ってホットレモネードにしたり。
ただ、私は乾燥肌ゆえ冬はあかぎれで毎年泣いている。
この手で地元産の硬くて皮の厚いレモンを大量に絞るのはゴメンナサイと、その作業は娘に託した(笑)
はじめてのメニューが注文を受けた時はちょっとドキドキする。
「レモネード」を最初に注文した女性は「昔アメリカに住んでた時、レモネードは毎日のように飲んでたの!」「オイシーイ!」と言ってくれ、ちょっとホッとした。

数日前、私は58歳になった。
60歳まであと2年もある。還暦が待ち遠しくて仕方ない私だ。
サーフィンとかやって若ぶっているが実は精神的には完全に「お爺さん」志向なのだ(笑)
老成願望は昔から、なにせ理想は笠智衆なのだから・・
ところで、最近ずっと忘れていたレコードが出てきたので良く聴いている。
偶然私の生まれた年の1957年に録音されたトミー・フラナガンの「Overseas」というアルバム。
トミー・フラナガンのピアノには品性がある。私にはそこが心地良い。品性が無いと表現がクドくなる。
エルビン・ジョーンズも才気が弾んでいる。
普段は、まったりと精神を沈静化させるジャズばかり聞いているが、50年代のモダンジャズは活きが良い。
このアルバムもモダンジャズ全盛期のピアノトリオの傑作の一つだと思う。

カミさんの板橋の実家に二泊して年の瀬の都内を徘徊してきた。
以前から気になっていた二ヶ所、神楽坂の「la kagu」と天王洲の「SLOW HOUSE」。
どちらも衣食住の複合型商業施設。「la kagu」はサザビーが、「SLOW HOUSE」は人気雑誌「KINFOLK」のプロデュース。
今こういったライフスタイル提案型のショップが人気だが、ディテールは違えど2店とも似たような印象を覚える。センスも良くとてもオシャレなのだが、グッと来るものが無いというか・・
それは物が氾濫している日本ならではの出尽くし感とか、物離れ感かも知れない。
今年、私としてはもっと物を絞りシンプルに向かいたい。ひとつひとつのクオリティーは高めながら・・


この時期の都会は一番魅力的かも知れませんね。
イルミネーションが華やかで街が一際輝く時。
そんな都会の空気を近々吸いに行きたいなと思います。


誰にでも自分にとってのゼータク品があると思う。
私にとってゼータク品とは煙になって消えてしまう物、すなわちシガーである。
高価な車や時計、靴、などに憧れた時代が無かった訳ではない。かつて車だったらロンドンタクシーが理想の車だった。
今、物欲は萎える方向に向かい、休日に楽しむシガーがあれば良い。
午前に珈琲を飲みながら半分、夕方酒を飲みながら残りの半分を味わっていると何ともリラックスしたゼータクな時間を過ごせる。
そのシガーを保管するのがヒュミドールという保湿箱である。
精製水を湿らせたスポンジなどをこの木箱に入れシガーを保管する。乾燥するとパサパサになりシガーが台無しになってしまうからだ。
以前、このLVのヒュミドールをメンズのヘアサロンでレジ代わりにキャッシャーとして使っているのを雑誌で目にした事があり、粋なことをすると感心した覚えがある。


このところ私の部屋のレコードプレーヤーには一枚のLPがずっと乗ったままである。
ビル・エバンスの「You Must Believe In Spring」。
今年、私の好きな方々が遠くへ旅立ってしまった。
チャーリー・ヘイデン、水丸さん、健さん・・そして叔父さん。
叔父さんは私たち夫婦の仲人であり小さな時から随分可愛がってくれた優しい人だった。
宮崎へのサーフトリップはキャンセルし、通夜から火葬まで葬儀をお手伝いした。
ビル・エバンスのこの晩年の傑作アルバムは、録音の前年に亡くなった妻エレインに捧げた曲「B マイナー ワルツ」で始まる。
悲しく美しいこのアルバムを私はいつまで聞き続けるのだろう・・・

「マスター、ケンさんが来ました!」とバイトのゆみちゃんが言った。
「どこのケンさん?」と言いながら駐車場を見た私は腰が抜けそうになった。
あの健さんがそこに立っていた。
サンドカフェを始める時、私はありえない妄想をしていた。
カフェに高倉健さんと三国連太郎さんが来るという夢だ。役者としても男としても憧れるこの二人。そして珈琲が似合う二人。
そのありえない人が今ここに居る。その健さんを連れて来てくれたのは、開店当初から贔屓にして頂いている小林亜星先生だった。
先生たちがビールを注文されたが健さんは一人カフェオレだった。陶器のカフェオレボウルを健さんに恐る恐る出すと「これカフェオレですか?」と言いながら大きな手でボウルをつかみゴクリと飲んだ。
健さんは「南極物語」の話を楽しげにしていた。しばし歓談の後、となりの「Deck Shoes」に一行は移り雑貨を見て頂いた。
健さんはシャンブレーのバンダナを買うとそのまま白いポロシャツの襟にクルクルっと巻いた。その仕草のカッコ良かった事。
今から14~5年前、ある夏の夢のような午後のことである。

サンドカフェとデッキシューズは11月15日(土)~18日(火)の4日間お休みさせて頂きます。
(散歩カフェ、デイズギャラリーは平常どおり営業いたします)
九州への初サーフトリップ。
震災後、宮崎に移住した知人に会ってサーフポイントなど教えてもらったり、一緒に波乗り出来ればと思っている。
今回、宮崎にサーフトリップに行こうと決め、その知人を訪ねたいと思っていた時、偶然好きなサーフィンの動画サイトkorduroy.tvで彼が写っている「A NEW GENERATION」というタイトルのショートフィルムを見た。
そのフィルムにはピースフルな雰囲気が漂っていた。日本にもバイロンベイみたいな空気感の所があるんだと思った。(「A NEW GENERATION」はバイロンベイ・サーフフェスティバルのショートフィルム部門で上映されるらしい!)
今、彼らファミリーは宮崎の南でゲストハウスやカフェを営んでいる。そこを訪れるのもすごく楽しみだ。

悪い先輩(3月4日ブログ参照)からの差し入れは寿司ばかりとは限りません。
山海の珍味が季節ごとに届きます。
実は、悪い先輩は酒を飲んでいるばかりで無く「旬の恵み」のハンターなのです。ハンターですがイーターではありません。捕ることに生きがいを感じる方なのです。
そう、捕獲するのが生業なのです。いや、生業は大工さんかな(笑)。
実はサンドカフェを建てたのが悪い先輩なのです。
今、先輩は腕利きアングラーとして「ひらめ」をルアーで狙っています。すでに4匹キャッチしたようです。スズキを釣るのも時間の問題です。
多分、今週は山に入り自然薯を掘って来ると察します(笑)。
持つべきは悪い先輩です。

