「ポジャギ」とは、朝鮮の古い風呂敷。
薄絹や麻でパッチワークが施されている。
夏の強い日差しに透けたアノニマスな針仕事の痕跡。
私の目を楽しませるだけでなく昼は自室の日よけに、夜は目隠しとして風に揺れている。
夜は障子を開けて網戸で寝るととても涼しい千倉の夏。

この夏、親父がホスピスに入院した。サンドカフェから車で5分の小さな漁港近くのクリニック。
いろいろな木々が植えられた中庭を囲みホスピスの病棟がある。広いデッキが張られ、風に木々が揺れ、海鳴りも聞こえる。
数日前、病院の方々が小さな花火大会を開いてくれた。
大きなガラス戸を開け、そのままキャンドルが灯されたデッキにベッドが移動できた。他の病室の患者さんもベッドに寝たままデッキに出て花火を楽しんだ。
和気あいあいにスタッフの皆さんが上げてくれる花火を見ていると、急に親父がビールが飲みたいと言った。院長先生に快諾してもらい親父と先生は一番小さな缶ビールで乾杯した。
3ヶ月振りだというビールを一口飲むと親父は「あーッ、ウマイ!」とつぶやいた。
それはビールの味では無く、その夜の気分がそう言わせたに違いない。
忘れえぬ夏の一夜。

ソロになってからの桑田佳祐に惹かれている。
一年半前のアルバム「music man」がとても気に入っていたが、最近また2枚組の「I LOVE YOU」がリリースされた。
古い曲や「music man」からも何曲か入っての2枚組な訳だが、そんなことはどうでもいい。私にとってお気に入りの曲満載だったから。
「music man」で一番好きな歌は「君にサヨナラを」だった(今回のアルバムにも入っている)。この無常観漂う歌が好きだった。
「I LOVE YOU」では、それ以上に好きな歌が現れた。「愛しい人に捧ぐ歌」だ。この歌で久々に泣けた。
この曲は、あの日大切な人を失った人々に送るエールだと感じた。ガンバレとか元気を出そうとか言わないエール。でも一筋の希望の光が見える。
ポジとネガの交錯というのか。そこがソロになってからの桑田さんが好きな要因なんだろうな。

夏らしい暑さ到来。
蚊も多くなった。でも昔より温暖化のせいか蚊が出没する期間が長くなった気がする。台風と同じだ。
このブタさんはサーフィン仲間で陶芸家のサトルさんに作ってもらった。だから耳がフィンの形をしている。ちなみにメガネは私が遊びました。伊達なので勉強のし過ぎではありません。(笑)
庭の木の枝にはクジラ君が泳いでいる。鋳物製のクジラ君は時々「リンリン」とイイ音で鳴いている。日陰で涼しいことだろう。
この夏はブタさんとクジラ君に活躍してもらおう。


夏休みに末娘が東京の友達を連れてくるというので2階を片付けた。ちょっとした大掃除だ。
片付けなんてしてみるもんです。しばらく開けていなかった棚から懐かしいCDがいろいろ出てきた。ボブ・マーレーだ。ボーイミーツガールだ。サンタナだ。
このサンタナの2枚は私が高校生の時の愛聴盤(当時はレコード)だった。ああ懐かしい。
左のアルバム「アブラクサス」はサンタナの代表曲「ブラックマジックウーマン」が入っている。
あの頃私はサイフォンでコーヒーを淹れ、きついタバコを吸いながら良くこのアルバムを聴いたものだった。特に「君に捧げるサンバ」が好きだったなあ。久々に聴いてもいいなあ・・・今日はドリップで落としたコーヒーを飲みながらだ。
そして夕暮れ時。今度は酒を飲みながら「キャラバンサライ」を聴いた。もちろんシガーを吸いながら。
幸い家人が買い物に出かけていたので家には私一人だ。気兼ねなく大音量でこのアルバムを聴いた。前にも書いたが、私は良い天気の日の夕方は真っ暗になるまで部屋の灯りを点けない。
なぜなら宵から闇に変わってゆく空色の変化を楽しみたいから。これは是非お薦めしますよ。
虫の鳴き声で始まるこの「キャラバンサライ」。闇で聴くと砂漠にトリップしてしまう。あの頃のように・・・

なぜサーフィンをするのか?と聞かれたら「自由になるために」と答える。例えそれが刹那であっても・・・
日頃、我々は他人と比較したり、他人の目を気にしながら暮らしているがミスターフリーダムと呼ぶに相応しい生き方の人がいた。カリフォルニアのサーファー、ブライアン・ベントだ。
彼はホットロッドに自作のウッドのサーフボード、いやサーフボートを乗せサンオノフレのビーチに乗りつける。そしてキャプテン帽にウールのセーターと半ズボンでサーフする。ウェットスーツは着ないらしい!
牧師でありアーチストである彼は、陸でも海でもその独創性で一目瞭然。着ているTシャツも自分でペイントする。彼の100%オリジナルな生き方、「唯一無二」なスタイルが私を惹きつける。
漠然とした絞めつけや拘束感が漂うこの社会で、ブライアン・ベントの存在が私をサーフィンの世界に留めてくれている。


ある人々は、ルイヴィトンやゴヤールの大きなトランクをいくつも持ち込み長い船旅を優雅に過ごした。
また、ある人々は移民として故郷を捨て遠い異国の地を目指した。トランク一つで船底の大部屋にギュウギュウ詰めになりながら。
私は、そんな大型客船全盛時代に思いを馳せ、この客船をオーダーした。どこに置くかも決めず、値段交渉もせずに。
そしてひと月強を費やし完成したこのフローティングホテルはカフェのカウンターに停泊している。
全長80センチ。ゆったりとした時間を内包しているこの客船は、私が旨い酒を飲むためのイマジネーションツールでもある。

曇天の休日。
「浦島太郎展」で疲れていたが午後遅く波乗りをした。カミさんも海に入るのは実に一ヶ月ぶりだった。
でも、やはり海はイイ。リフレッシュ出来る。きっと細胞が活性化するんだと思う。
波待ちをしている時にふと隣を見たらあの有名人が。湘南に住み毎朝波乗りしていると聞いたことがある。何かの撮影かなと思ったらやっぱりテレビカメラのクルーが岸から撮っていた。
結構いい波に乗っていましたよ。
家に帰りいつものようにシャワーを浴びてから一杯やった。パラパラと本をめくりながら。
ロスを拠点に活躍するデザイナー「八木 保」のセンスが好きだ。左のGRAPHIC EYEは彼のワークスやスタジオの内部、インテリア、審美眼に適ったコレクションが満載されていてとても興味深い。
作品はエスプリ、ベネトン、アップルストアなど世界的企業がクライアントだが、ジョブスから直に電話が入りアップルストアのデザインをしたのは有名な話。原寸大の模型を作ってプレゼンしたそうな。スゴイ!
ありえないが八木 保が「沖箱」をデザインしたらどうなるのか想像した(笑)。ポリカーボネートのスケルトン(少しマットな質感)できっとi phoneが収納できるんだろう。なんてね(笑)

カミさんが一週間のパリ旅行から帰宅した。
今回の目的はパン屋、ケーキ屋、チョコレート屋を巡る旅だったらしい。実際食べ歩くだけでなく厨房に入り製パンや製菓作業を見学できたという。
一緒に行った東京の佐藤さんもパンを焼くのが好きだし、パリで美味しいと評判のガレットやキッシュの店にも行けたので二人にとって実りある旅になったようだ。
さらにワインとチーズをもってベルサイユ宮殿の庭でピクニックしたり、エルメス本店でランチをしたりと羨ましい限り。
でも旅に出て異文化に触れインスパイアされたり、気持ちがリフレッシュできたりすれば何より。
