地中に咲く睡蓮

地中美術館は直島での人気スポットで、入場整理券をまず取らなければならなかった。そして指定された時間に美術館に向かう。

白く輝く無音の空間にモネの晩年の睡蓮がある。2×4mを超える大作は離れて良し、寄って良し。マチエールは気が遠くなるほど深みがある。晩年のモネは白内障に悩まされていたとかで光の描き方などは暗めになっている。なので白く輝く部屋との相性は絶妙。

ベネッセには安藤忠雄のミュージアムが3館(家プロジェクトの南寺を入れると4館)あるが、どれも初めに作品ありきなので作品と空間がとてもいい関係にある。なんとも贅沢なスペース。

2日目の午後は、大竹伸朗の家プロジェクト「歯医者」や「アイ・ラブ湯(銭湯)」を巡り活力をもらった。

直島の自然と共存するため美術館を地中に埋めた安藤忠雄。その地中美術館に向かう途中、ジヴェルニーのモネの庭の植生と睡蓮の池をコンパクトに再現したアプローチがあり、来館者はみなここで期待を増幅させる。
直島の自然と共存するため美術館を地中に埋めた安藤忠雄。その地中美術館に向かう途中、ジヴェルニーのモネの庭の植生と睡蓮の池をコンパクトに再現したアプローチがあり、来館者はみなここで期待を増幅させる。

直島詣で

今から20年ほど前にモダンアートに傾倒していた時期があってMOMAにも出かけたりしていた。その頃香川県の直島という人口3千人くらいの島に福武書店が施主で安藤忠雄氏設計のホテルと美術館が出来たと何かで知った。多分、海岸美術館を設計した石井和紘氏の設計した役場や学校がある島だったからかもしれない。

今回「瀬戸内国際芸術祭」の開催をきっかけにその直島詣でが実現した。あれからベネッセハウスを核に家プロジェクトや犬島アートプロジェクト精錬所などその周囲の島々にもアートが拡散し、今やフランスの雑誌で世界で行くべき10の場所のひとつに選ばれるほどになっており年々内外からやって来るアート巡礼者があとを絶たないという。いやアートお遍路さんというべきか?

私たち家族もアートお遍路さんとして暑い中、路地を歩きシャトルバスや船で移動し行列にも並び行脚した。それでも楽しくて仕方ないのはアートがパワーをくれるからだ。ヨーロッパから来ている人たちもかなりいた。

ベネッセハウスミュージアムの展望中庭にて好きな写真家の杉本博司氏の「海景」シリーズを後ろに悦に入る私。モノクローム写真をアクリルに封じ込め屋外に(!)展示している。太陽光による退色が生じ白色化していったらそれも第二の作品化と氏は言っている。 ここでは20世紀のモダンアーティスト達、ジャクソン・ポロック、サム・フランシス、サイ・トゥオンブリ、デビット・ホックニー、ジャスパー・ジョーンズらのペインティングが私たちを迎えてくれた。
ベネッセハウスミュージアムの展望中庭にて好きな写真家の杉本博司氏の「海景」シリーズを後ろに悦に入る私。モノクローム写真をアクリルに封じ込め屋外に(!)展示している。太陽光による退色が生じ白色化していったらそれも第二の作品化と氏は言っている。
ここでは20世紀のモダンアーティスト達、ジャクソン・ポロック、サム・フランシス、サイ・トゥオンブリ、デビット・ホックニー、ジャスパー・ジョーンズらのペインティングが私たちを迎えてくれた。

アライアが届く

広島でアライアを削っているファクトリーから待望のアライアが届いた。今回オーダーしたのは8フィート。材質は桐である。6月に初めてアライアに試乗したときは6フィートの板だったが、私にはテイクオフがかなり厳しかったので8フィートと長めにしてもらった。

実際、家の中にあるとデカく感じる。これだったら何とかいけるかもしれない?!

亜麻仁油の香りがあたりに漂うアライアの板。フィンも何も無い。これ以上シンプルな波乗りをしたかったら、あとはボディサーフィンしか無い。
亜麻仁油の香りがあたりに漂うアライアの板。フィンも何も無い。これ以上シンプルな波乗りをしたかったら、あとはボディサーフィンしか無い。

お休みのお知らせ

9月6日(月)~9日(木)までSand CAFEとDeck Shoesはお休みさせていただきます。
瀬戸内海のアートの島を巡る予定です。

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9月と思えない暑さがしばらく続くと覚悟したほうが良さそうです。

あの頃の靴

下駄箱を随分久しぶりに整理していたらあの頃の靴が出てきた。モカシンが二足。20代後半から30歳くらいのまだ結婚したばかりの頃だろうか。懐かしい。

20年以上前の靴だがカビとほこりを落としたら今でも履けそうなので陰干しをしてミンクオイルを塗った。二足とも中敷にRED WOODのマークが入っていたので渋谷系のショップで購入したものだろう。

思い出したが、あの頃すごく憧れていた靴が一足あって、どうしても欲しくて雑誌の切抜きをいくつかスクラップし、コーディネートまでイメージしていたんだった。ヒザの抜けたチノパンに白のオックスフォードボタンダウンシャツとグレーのカシミアのカーディガンを合わせるとか。その頃パリのフレンチトラッドのセレクトショップ「エミスフェール」もあったな。

フランスのJ.M.WESTONのクロコダイルのローファー。欲しい、欲しいと思っていたら値段もどんどん上がり私の1ヶ月分の給料よりも高くなってしまいとうとう買えなかった。懐かしい。

靴もそうだが最近は本当に欲しいものを少しだけでイイ、長く使い込みたいと思う。
靴もそうだが最近は本当に欲しいものを少しだけでイイ、長く使い込みたいと思う。

晩夏から初秋へ

キューバの歌姫、いや私は世界最高峰の歌姫だと思っているオマーラ・ポルトォンドの「gracias」がイイ。オマーラの歌を聞いていると、フワッとした大きな何かに包まれている気持ちになる。慈愛のような。

サティが「音楽の家具」ならオマーラは「音楽の宝石」といえる。例えば私の好きなオパールかな。

ラテンを集中して聞くのは夏だが、このアルバムは夏の終わりから初秋が似合うと思う。毎夜、ラムを飲みながらオマーラの歌声に擁かれていたい。秋の虫の音色が歌声に混じり合う。

Thank you very much, OMARA. 日本のオマーラは誰だろうか?いや居ない。そして世界でもこうゆう人ってどんどん居なくなっている。歌姫はもうすぐ80歳になるという。
Thank you very much, OMARA.
日本のオマーラは誰だろうか?いや居ない。そして世界でもこうゆう人ってどんどん居なくなっている。歌姫はもうすぐ80歳になるという。

残暑お見舞い申し上げます

このところ毎日酷暑が続きますが、いかがお過ごしですか。

都会ではエアコン無しでは寝苦しいことと思いますが、千倉は網戸にしておくと南風が心地よく朝方には布団を探す時も珍しくありません。

今日久しぶりに水丸さんが来てくれました。長袖のワークジャケットを着ていたので暑くないのですか?と聞いたら「夏は厚着、冬は薄着なんだよ」と笑っていました。相変わらずカッコイイ人です。

とにかく、体には気をつけてこの暑さを乗り切ってください。夜、秋の虫が鳴き始めています。

秋のことはAutumnと学校で習ったが、アメリカではFallと言うのだとLL.Beanのカタログで知った。
秋のことはAutumnと学校で習ったが、アメリカではFallと言うのだとLL.Beanのカタログで知った。

ジオラマ

夏の日差しが照りつけるSand CAFE。ロングボードを助手席に乗せたオープンカーが駐車場に一台止まっている。

以前頂いた小さなサンドカフェの模型に駐車場や植栽が加わり、ジオラマになった。

今回も偶然オールドサーファーの方が作ってくれました。千倉在住の私と同年代の方。鉄道模型が趣味だとは知りませんでした。
今回も偶然オールドサーファーの方が作ってくれました。千倉在住の私と同年代の方。鉄道模型が趣味だとは知りませんでした。

Summer Pink

サルスベリの木を夏の間だけ「Summer Pink」と勝手に呼んでいる。高い青空、入道雲にピンクの花が映える。

自宅だけでなく、町のあちこちでもこの花木を目にすることができる。

庭に植えてから20年以上経つ。このところよくカイガラムシなのか幹が黒くなる病気になることがある。
庭に植えてから20年以上経つ。このところよくカイガラムシなのか幹が黒くなる病気になることがある。

縁のある蝉

朝、和室の網戸を開け濡れ縁を見たら蝉の抜け殻が止まっていた。縁側に蝉の抜け殻は珍しいと周りを見渡したら、まだ殻から抜け出たばかりの白っぽさの残るアブラゼミが地面に居たのだった。

そのままにして置いたが無事飛び立ったのだろう。

前世が虫だったというような話しをテレビで聞いたりするが、ウチの縁側に来たあの蝉は誰だったのだろうとか考えてしまった。

私の来世が人では無く虫ならば夏の虫が良い。出来ればトンボ。オニヤンマ、いやギンヤンマが良い。夏空に漂うギンヤンマが良い。トンボほどきれいに空に漂う虫はいないから。
私の来世が人では無く虫ならば夏の虫が良い。出来ればトンボ。オニヤンマ、いやギンヤンマが良い。夏空に漂うギンヤンマが良い。トンボほどきれいに空に漂う虫はいないから。

真夏の夜の「夢」

「書」という表現に興味を持つきっかけとなったのが、井上有一。陶芸は、魯山人だった。

ブツブツと独り言の様に口から出た一字を書きつけたその作品の中に私の好きな「夢」がある。「花」も好きだ。

自分の中から湧き出た結晶の一字。その字を真剣勝負で書きつけるため良く枠からはみ出した。その紙からはみ出た部分が描かれた下に敷いた新聞紙ごと切り取って作品にした物もかなりある。

「書」もその人そのものが出てしまう。日常においても勇み足、はみ出てしまうことがかなりあったに違いない。

1974年の「夢」は約45cm×60cm。現代美術の抽象画を思わせるのは、井上が若いとき絵の世界に進みたかったからなのか?
1974年の「夢」は約45cm×60cm。現代美術の抽象画を思わせるのは、井上が若いとき絵の世界に進みたかったからなのか?

枯れてゆく

私の憧れる「笠 智衆」がサーファーだったらどんな乗り方をするのか想像してみた。波が来たらゆっくりと方向転換をし、なんとかテイクオフ。あとは波の推進力を利用しロングボードの上に枯れ木のように立っているのみ。余分な動きは一切無い。岸まで行き着きその日は終了。これはある意味、ミニマリズムであり禅である。

五十も半ばに近ずいてくると、何歳くらいまで波に乗っていられるのか良く考える。足腰が弱まりスタミナが無くなって来てもRYU’S RIDING STYLEなら結構イケルかも知れないと思ったりする。

緩慢な動作と間のあるしゃべり方の笠智衆。居住まいをすっきりさせ、きれいに老いた爺さんの姿がそこにある。生き方もRYU’S STYLEを見習いたい。

晩年は、確か鎌倉の自宅で毎日奥さんの点てたお茶を一服するのが日課だったという。
晩年は、確か鎌倉の自宅で毎日奥さんの点てたお茶を一服するのが日課だったという。

熱い夜に

たくさんの方が来て下さった「ワンナイトキューバ」。モヒートとダークラムのハイボールを飲み干し、シガーをくゆらせ、ラテンのリズムに酔いました。そして頭にはたくさんのパナマ帽が。たまには大人だけでこんな時間を楽しみたいと願っていたciceroさんと私の願いが叶いました。どうもありがとう。

会場の雰囲気を盛り上げてくれたキャンドル作家のSujiさん、素敵なアクセサリーを展示してくれたKaoriさん(spisweet)、私の大好きなルベーン・ゴンザレスの「Mandinga」を演奏してくれたKEIKO LATIN JAZZ TRIOのメンバーの皆さん、感謝します。

いつも何かのイベントを終えたときに思い出すのが「黒いオルフェ」という映画だ。マルセル・カミュが監督したこの名作のタイトル曲が「カーニバルの朝」という甘く切ないボサノバだ。何かが終わってしまったあとの虚無感がジーンと心にしみる。
いつも何かのイベントを終えたときに思い出すのが「黒いオルフェ」という映画だ。マルセル・カミュが監督したこの名作のタイトル曲が「カーニバルの朝」という甘く切ないボサノバだ。何かが終わってしまったあとの虚無感がジーンと心にしみる。

お知らせ

7月25日(日)は、ONE NIGHT☆CUBAのイベントの為、通常の営業(AM9:00~PM5:00)はお休みいたします。

今年の夏は、鮮やかな夕焼けが多いと思う。南西の風が良く吹いていることや海の水が冷た過ぎることと何か関係しているのかな?
今年の夏は、鮮やかな夕焼けが多いと思う。南西の風が良く吹いていることや海の水が冷た過ぎることと何か関係しているのかな?

NEW MEXICOのおばあちゃん

めずらしくアクセサリーを買った。ターコイズのブレスレット。私は金属がちょっと苦手なので普段あまりアクセサリーとか時計を身に着けない。でもこれはターコイズの粒(ナゲット)を数珠状にしたシンプルなタイプで、以前からこんな何でもない感じの物が欲しかったから。

作ったのはニュ-メキシコのアンジェリータというおばあちゃん。だんだん作れなくなっているらしいので大事にしなければと思う。

ニューメキシコに長く暮らした画家のジョージア・オキーフの家を撮影した有名な写真集がある。「オキーフの家」というタイトルで、カメラマンのマイロン・ウッドは2年半かけてオキーフの家に通ったという。この家のインテリアがまた素敵で、土壁の素朴なサンタフェスタイルのなかにイームズのモダンな椅子がマッチしている。 オキーフやアンジェリータのように、おばあちゃんになってもクリエイティブなライフスタイルを貫いている人もいるんだね。
ニューメキシコに長く暮らした画家のジョージア・オキーフの家を撮影した有名な写真集がある。「オキーフの家」というタイトルで、カメラマンのマイロン・ウッドは2年半かけてオキーフの家に通ったという。この家のインテリアがまた素敵で、土壁の素朴なサンタフェスタイルのなかにイームズのモダンな椅子がマッチしている。
オキーフやアンジェリータのように、おばあちゃんになってもクリエイティブなライフスタイルを貫いている人もいるんだね。

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