GO WEST ・伊勢

二日目、伊良湖からフェリーで鳥羽に渡った。

私には是非行ってみたい二箇所の聖地があった。

伊勢神宮と出雲大社。あまりにも有名なこの聖地の一つ、伊勢神宮に今回念願叶って参ることが出来た。

雨の伊勢神宮の長い参道を歩いていくと、「自分が浄化されていく感覚」と併せて「静かな興奮」も覚えていた。

「内宮」に近づくほど森が深くなっていく。屋久島には千年杉があるが、ここの木々もかなりスゴイ。

よく神頼みというが、不況に成る程、社会情勢が不安定になれば成る程、こういったパワースポットには訪れる人が増えるのだろう。

私は手を合わせ、いつものように只「ありがとうございます」とだけ唱えた。

翌朝、小雨まじりの天候に我々はこのまま帰路に着こうと車を走らせていたら急に風が変わりオフショアの国府の浜で波乗り出来たのは「お伊勢参り」のお陰さんだったのか?

雨の伊勢神宮。階段を上がれば内宮である。
雨の伊勢神宮。階段を上がれば内宮である。
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伊勢うどんと松坂牛の牛丼のセット。伊勢うどんのもっちりした食感と濃い口のタレに私はファンになった。塩味のあっさりした牛丼との相性も至極良い。

GO WEST ・伊良湖

二つの台風がウロウロしていた先週、2泊3日のショートトリップに出かけた。

目指したのは伊良湖~伊勢方面。初日は快晴だった。

東京の佐藤さん夫妻の大きなワンボックスにロングボードを4枚積み新東名で一路愛知県へ。我々4人合わせて220歳。もはやサーフィンは若者だけのものでは無くなった(笑)

遠州灘は強い東風と台風のうねりで行けども行けどもクローズ。真っすぐ長い海岸線にはこの風をかわすポイントは見当たらない。

だが予約してあるホテルは伊良湖岬の先端にあり、そこから伊勢湾側に入った海岸は東風がオフショアになるはずだと我々は岬を目指した。

岬を回り込みフェリー乗り場のパーキングに着くとサーファーの車が何台も止まっていた。

そこにはオフショアの風にシェイプされ岬に沿ってきれいにブレイクしている波があった。

遠景で見にくいが、グーフィーオンリーのラインナップが。
遠景で見にくいが、グーフィーオンリーのラインナップが。
写真は翌日で曇っているが、到着した日は美しいサンセットを眺めながら露天風呂に入ることが出来た。
写真は翌日で曇っているが、到着した日は美しいサンセットを眺めながら露天風呂に入ることが出来た。

Gift from Dilettante

年長の紳士からバッハのCDを数枚頂いた。

すべてROSALYN TURECK(ロザリン・テュレック)というアメリカの女性ピアニストの物だった。

私はどんなジャンルの音楽を聴く時にも「自分の体に染み込んでくるかどうか」が決め手となる。

R・テュレックの演奏するバッハは、ゆったりと温かく、そっと包み込まれるような優しさが漂っていた。

女性特有の慈愛というのだろうか? 彼女のピアノは何とも自然に私の中に染みて来た。

後で聞いたことだが、名盤「ゴールドベルグ変奏曲」をG・グールドが弾くときR・テュレックをリスペクトしていたという。

私にテュレックを教えてくれたその方は、彼女に恋したと言うほどにロマンチックなディレッタントだった。

私が気に入っているmello tone(USA)のトイピアノはDAYS GALLERYに置いてある。

Night Cruise

知らぬ間に日没が早まり、中秋から晩秋に向かっていると知るこの頃である。

カフェの閉店時間になり消灯すれば、静かに湾を進む客船のナイトクルーズの如きシルエットが。

まあ私はゆったりと船旅なんて柄じゃないが・・・

今日、亡き親父の49日の法要も無事終わった。

今年の秋は、遠出の旅は控えて、どこかのパワースポットを訪れながらの小旅行に行こうかな?

その時も、やっぱりロングボードは積んで行くでしょう!

豪華客船じゃなくて、私にはやっぱりカーフェリーかな?
豪華客船じゃなくて、私にはやっぱりカーフェリーかな?

Last One

夢のようだったキューバ旅行から早1年近く経とうとしている。

買い込んだシガーもついに最後の一本になってしまった。

コイーバのエスプレンディドス。

長くて太いこのシガーをくゆらすと、浦島太郎じゃないが紫煙と共にオールドハバナの街並みを散歩したりヘミングウェイゆかりのバーでモヒートを飲んだりした至福の時間が蘇っては消えて行く。

ADIOS CUBA

ヒュミドールが空ではさみしいのでシガーダイレクトにオーダーしようかな。
ヒュミドールが空ではさみしいのでシガーダイレクトにオーダーしようかな。

「Interiors」MARTYN THOMPSON

若い時からずっとインテリアの洋書を愛好しているが、最近すごく写真がいいインテリアの本に出会った。

イタリアの照明デザイナーのアッキレ・カステリオーニやニューヨークのデザインホテルのカリスマとなったショーン・マクファーソンとか24人のアーティスティックな部屋が紹介されている。

私はインテリアブックで好みの部屋を見つけると、イマジネーションの中でその部屋にトリップしてしまう。

そして、この部屋の主は、どんな暮らしをして日々を送っているのだろうとか勝手にいろいろ想像して楽しむ。

こんな症状の人はインテリアブックジャンキーと呼んで差し支えない。

好きなページを開き陶然となる時には酒と葉巻が傍らに。
好きなページを開き陶然となる時には酒と葉巻が傍らに。

夏休みの絵日記

夏休みって長くて嬉しいけれど宿題もその分沢山あったよね。でも工作とか絵日記とかは好きだったから苦じゃなかった記憶がある。

この夏、大学生の末娘の親友「ソノちゃん」が千倉に遊びに来て我が家に2泊した。

私は千倉の観光大使として(笑)海岸線をドライブして案内したり、平砂浦でサーフィンレッスンをしたり、アワビや地魚を食べに出かけたりして楽しく過ごさせてもらった。

その時の思い出を彼女が絵日記風にして送ってくれた。カワイイ絵かと思ったのは切り絵だった。その細かい作業と特徴を捕らえ且つユーモラスなセンスに私は破顔。

伏し目がちな私の顔などよく観察している(笑)

この思わずニンマリさせられる絵日記は私たちへの最高のプレゼントになった。

(ソノちゃんには昨年のミスユニバース日本代表でブラジルの世界大会にも行っている超美人のお姉さんがいるのです!)

カミさんがちょっと細めで若い感じになっているのは同性への気使いからか?
カミさんがちょっと細めで若い感じになっているのは同性への気使いからか?

リーフポイントにて

このところホームポイントの千倉ビーチの地形が良くないので、毎週ここに来ている。

風は千倉ビーチと同じく南西が良いが、リーフで浅いためハイタイドの時しかサーフできない。

先週も東京の佐藤さん夫妻と4人貸切で入っていたら次々いつものサーフメイトが集まってきて気がつけば10数人とポイントパニックになっていた。

不思議と連絡していないのに以心伝心というのかサーファーって良いところに集まりますね。

この日はセットで肩~頭近くの波を仲間内でシェア出来て良かったな。

その前の週は、カミさんと二人きりで最高だった。
その前の週は、カミさんと二人きりで最高だった。

RED EYE

9月も半ばになるが連日の残暑。厳しすぎます。

残暑にバテた夕べに私はレッドアイを飲む。

ビールとトマトジュースのカクテルだ。

割合は好き好きだが、トマトジュースは「デルモンテ」がお薦め。

デルモンテにはシチリア島の岩塩が入っている。

その塩気がレッドアイに旨みをもたらす。

チョット元気が回復します。
チョット元気が回復します。

瓢箪から駒

私が憧れているベニスの「ハリーズバー」のオーナーであるチプリアーノ氏曰く「シンプル」「微笑み(愛)」「クオリティー」によって今のハリーズバーがあると言う。また池波正太郎氏は「ほどの良さ」が老舗の秘訣と説く。

含蓄のある両氏の言葉である。どちらにしても結果は後からついてくるものだ。

さて、池袋にとても居心地の良い店がオープンした。名前を「Cheval de Hyotan」(シュバル デュ ヒョータン)と言う。瓢箪から駒の意と聞いた。

オーナーの川副さんとはサンドカフェのオープン当初からのお付き合い。奥さんの藍さんと8月8日にカジュアルなフレンチのお店を西池袋の立教大学近くに開店された。

先日ランチにお邪魔したが、丁寧な仕事をされた料理、ゆったりと寛げる空間、節度がありながらもフランクな対応にシャンパン、ワインとついつい昼間からカミさんと結構飲んでしまった。(笑)

オープンして間もないながら、地元の人たちから近所に良い店が出来たと喜ばれているそうだ。夜はコースでなくワイン一杯から楽しめる。人生経験を積んでバランス感覚に優れた川副さん達だからこそ出来た素敵なお店だ。

長身の一柳シェフをはさんで川副夫妻。川副さんは外資系金融機関で活躍しながらワインエキスパートの資格取得。藍さんはコルドンブルーを首席卒業後、都内フレンチレストラン数店で修行。ここは「良き時間」を過ごせるレストランだ。
長身の一柳シェフをはさんで川副夫妻。川副さんは外資系金融機関で活躍しながらワインエキスパートの資格取得。藍さんはコルドンブルーを首席卒業後、都内フレンチレストラン数店で修行。ここは「良き時間」を過ごせるレストランだ。

ヌーサの想い出

秋になると時々サーフトリップに行くことがある。

4年前に東京の佐藤さん夫妻とオーストラリアのサンシャインコーストにあるロングボーダーの聖地Noosa Headsへ行った旅は想い出深い。

野生のコアラも生息している国立公園の岬に沿って3ヶ所のポイントブレイクがある。どれもレギュラーのパーフェクトブレイクでサイズが小さくても長ーいライディングが楽しめる。(車で行けないのでロングボードを抱え長く歩かなければならないのが難点)

また、ヌーサは洗練されたビーチリゾートなので洒落たアコモデーションやショップが点在し、波乗りをしていない時もリラックスして楽しく過ごせる。そして美しいラグーンが川沿いに広がりクルーザーを横着けできるような大きな別荘も多いためか品の良いオージーが目立った。

私たちはビーチに近いモダンなコンドミニアムを借り、近くのスーパーで食料やワインを買い込み自炊もかなりした。旅先で地元のスーパーに行くのも楽しみの一つだから。

私たちが到着する前の2週間は波が無かったらしいが、滞在中はヒザから腹位の波に毎日恵まれラッキーだった。その殆どはFastPointの一つ先にあるTeaTreeというポイントでサーフした。

ヌーサでは海亀も見たし、小さな蝶がたくさん海に舞っていたり、その環境はまさにサーファーズヘブンと呼ぶにふさわしい。

一番近いファーストポイント。ここに住んでいるトム・ウェグナーというシェーパーがリメイクした桐の木で作ったアライアというサーフボードに乗っているサーファーもチラホラ見かけた。
一番近いファーストポイント。ここに住んでいるトム・ウェグナーというシェーパーがリメイクした桐の木で作ったアライアというサーフボードに乗っているサーファーもチラホラ見かけた。
ちょうどサンドカフェのある千倉の瀬戸浜海岸通りにシチュエーションが似ているヌーサのビーチストリート。ただ軒を連ねているレストラン、ベーカリー、インテリアショップなどヌーサはセンスの良い店が多く洗練されている。まあ、千倉は千倉のスタイルで良いが。
ちょうどサンドカフェのある千倉の瀬戸浜海岸通りにシチュエーションが似ているヌーサのビーチストリート。ただ軒を連ねているレストラン、ベーカリー、インテリアショップなどヌーサはセンスの良い店が多く洗練されている。まあ、千倉は千倉のスタイルで良いが。

BONNSAI

今は亡き親父が油絵に夢中になる前は、盆栽にのめり込んでいた。

私が30代位までだったろうか、実家の裏庭は沢山の盆栽で埋め尽くされていた。

やり始めたらとことん追求する人だったな、込山哲夫は。

今、私の自室にはその頃の盆栽用の小さめの鉢がいくつか飾ってある。そして近い内この鉢に植えようと考えている植物がある。

それは「多肉植物」だ。

雑誌BRUTUSのボタニカル特集にも紹介されていた「Binowee」というプランツショップが千倉にある。波乗りが好きなセンスの良いご夫婦が営まれているステキなお店だ。

その店でこの鉢に合いそうな多肉植物を探すつもりだ。和の盆栽用の鉢にエキゾチックプランツの寄せ植えなんてミスマッチだと思うが、果たしてイメージ通りに仕上がるかな?

私は立派な枝振りの盆栽には興味が無いが、小さめの文人タイプや果樹の盆栽は好きだ。
私は立派な枝振りの盆栽には興味が無いが、小さめの文人タイプや果樹の盆栽は好きだ。

夏の日のサヨナラ

ホスピスに一ヶ月近く入院していた親父は、信じられない気力で二つの望みを叶えた。

一つは、お世話になっている先生や看護師の方々にサンドカフェでカレーとコーヒーを振舞うことだった。もちろん自分も何口か食した。

二つ目は、自宅に帰り最後の展覧会の油絵を選ぶことだった。只、それを理由にどうしても生まれ育った自宅を味わいたかったのだと思う。

どちらも酸素吸入機を付け、車椅子で短時間の外出だったが、あまりハッキリ話すことの出来ない父親は両手で丸のサインを作り満足そうだった。

その日から程なく親父は逝った。本当に「良き人生」を過ごした人だった。

通夜、告別式、納骨と私は喪主としてバタバタと過ごした。

そして誰もがそうである様に、葬儀を終えた私の心はポッカリと風穴が開いた様な空虚さに襲われている。

昔、「サヨナラだけが人生だ」って誰かが言ってた。
昔、「サヨナラだけが人生だ」って誰かが言ってた。

TRUCKの軌跡本

トラックファニチャーの自宅・工房・ショップ・カフェを一つに集約したプロジェクトの9年間にわたる記録の写真集。

若い人はこんな生き方に憧れるだろうな。

自分の価値観に忠実であり、ずっと好きな家具製作を続け、多くの支持者を得て成功者と言われてもそのスタイルを崩さず、平凡な家庭と非凡な仕事をして暮らすその生き方に。

敷地に植える木を自分の眼で確かめに北海道へ行くそのこだわりが潔い。

家具選びにゆっくりと時間をかけて欲しいと開いたカフェも妥協せずトラックの普遍的世界が具現化されている。

私も「BIRD」カフェに行きケンタロー氏直伝のハンバーグやドーナツロボットで作ったドーナツが食べたくなった。

「人生はとっかえっこ」だと先達が言う。何を得て何を失うかだと。トラックの二人はそのバランス感覚に何のブレも無い。

家具製作に日々勤しみ、オフはヌーサで波乗りをするという。そのヌーサへの旅がトラックの二人に大きな刺激を与えたと書かれていた。私もヌーサには再び行ってみたいな。
家具製作に日々勤しみ、オフはヌーサで波乗りをするという。そのヌーサへの旅がトラックの二人に大きな刺激を与えたと書かれていた。私もヌーサには再び行ってみたいな。

ポジャギ

「ポジャギ」とは、朝鮮の古い風呂敷。

薄絹や麻でパッチワークが施されている。

夏の強い日差しに透けたアノニマスな針仕事の痕跡。

私の目を楽しませるだけでなく昼は自室の日よけに、夜は目隠しとして風に揺れている。

夜は障子を開けて網戸で寝るととても涼しい千倉の夏。

ポジャギはチープシックな布のアート。
ポジャギはチープシックな布のアート。

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