バーキン

ワインレッドのダイムラー・ダブルシックスを乗りつけ、オレンジ色のバーキンをカウンターにドンッと置いたその婦人はエスプレッソのダブルを注文し、シガーに火を点けた。

テーブル席の愚図っている子供の親に鋭い視線を送ると、表情ひとつ変えず煙を吐いた。時々来るこの婦人はいったい誰なのか?前にお孫さんらしき女の子と来たことがあるので、きっと千倉に別荘でもある人なのだろう。

女性を形容するのにあまりカッコイイという言葉は使わないが、その時は内心カッコイイと感じていた。

古いスクラップブックで若き日のジェーン・バーキンを発見。トレンチコートなどマニッシュなアイテムを着させたら右に出る人はいない。またエルメスのバッグをこの人ほどトートバッグのように、ラフに使っている人を私は知らない。
古いスクラップブックで若き日のジェーン・バーキンを発見。トレンチコートなどマニッシュなアイテムを着させたら右に出る人はいない。またエルメスのバッグをこの人ほどトートバッグのように、ラフに使っている人を私は知らない。

キースとチャーリー

キース・ジャレットとチャーリー・へイデン、ジャズ界の巨匠が邂逅し美しい傑作をリリースした。

1曲目のワンフレーズを聞いた瞬間からウットリしてしまった。それから毎夜聞くのが楽しみになった。疲れた夜には尚のこと、美しいメロディーが体に染み渡っていく。やはりイイモノはイイ。

「いきなり来て人のハートを奪ってしまった麗しの人」と言ってしまっても過言でない位、私の愛聴版のトップになってしまった「ジャスミン」を是非!

KEITH JARRETT/CHARLIE HADEN「JASMINE」 癒されてください……
KEITH JARRETT/CHARLIE HADEN「JASMINE」 癒されてください……

NO MORE

朝、素晴らしく晴れた青空の下、自転車で遊歩道を気持ちよく店に向かっていたら突然テトラポッドの大群を発見した。先日、海の方から聞こえた重機の音はこれだったのか。

「まさかこれをビーチに置きはしないだろう」と、現場に誰も居なかったので近くのホテルオーナーに「何か聞いてます?」と訪ねたら「作業員の人に聞いたら、とりあえず置き場所にしてる、と言っていた」との事。

近くに設置するための置き場所でなければいいのだが。こういった工事は、県や国の事業ため市町村や住民に事前に知らされないケースが多い。心配な事この上無い。

諸外国のビーチリゾートでは、海岸の浸食防止などには自然石を用いる。当然、美観に配慮しての事だが。 千倉は今から20年数年前、沖合いに投石をする計画があった。当初はテトラポッドを設置する計画だった。しかも水面から上になるように。それを浅井慎平さんや千倉サーフィンクラブの意見を当時の町長が理解してくれて干潮時に水面から出ないように自然石を投石するように計画変更した経緯がある。近隣にもテトラが設置されて台無しになってしまったビーチが沢山あるではないか。取り越し苦労でなければいいのだが。
諸外国のビーチリゾートでは、海岸の浸食防止などには自然石を用いる。当然、美観に配慮しての事だが。
千倉は今から20年数年前、沖合いに投石をする計画があった。当初はテトラポッドを設置する計画だった。しかも水面から上になるように。それを浅井慎平さんや千倉サーフィンクラブの意見を当時の町長が理解してくれて干潮時に水面から出ないように自然石を投石するように計画変更した経緯がある。近隣にもテトラが設置されて台無しになってしまったビーチが沢山あるではないか。取り越し苦労でなければいいのだが。

Show window

ウィンドゥショッピングという言葉がある。旅先でも商店街とかで素敵なショーウィンドに出会うと、しばし見とれてしまうことがよくある。

若いときから、いい界隈やいいストリートがある町に憧れていた。私の住む町、千倉もそうなったらいいなとずっと想っている。いい界隈やストリートとは、小さいけれど個性的な店が集まっていることだ。

私がカフェや海雑貨、アンティークの店を開いたモチベーションはそこにある。内容的にはまだまだだが。

少しずつでいい。この海辺の小さな町に自然発生的に生まれたショップやギャラリーが点在していって、旅人がそこを巡れるようになることを夢見ている。

実際、少しずつだがカフェやギャラリーが増えてきている。もっといろいろなジャンルのショップができたら面白いなと思う。(DAYS GALLERYにて) ショーウインドゥの世界もすごいクリエイターがニューヨークにいて、バーニーズニューヨークのアートディレクター『サイモン・ドゥーナン』はショーウィンドゥでバーニーズを一躍有名にした人物だ。ゲイの中にはすごいセンスと美意識の塊のような人がいる。
実際、少しずつだがカフェやギャラリーが増えてきている。もっといろいろなジャンルのショップができたら面白いなと思う。(DAYS GALLERYにて)
ショーウインドゥの世界もすごいクリエイターがニューヨークにいて、バーニーズニューヨークのアートディレクター『サイモン・ドゥーナン』はショーウィンドゥでバーニーズを一躍有名にした人物だ。ゲイの中にはすごいセンスと美意識の塊のような人がいる。

散歩自転車

1年ほど前から天気の良い日は時々自転車で店に通っている。デイパックを背負い、細い路地を抜け、海岸沿いの遊歩道を走って店に着く。短い距離だが爽快な気分になれる。

街中も海岸道も散歩するように乗れて、50過ぎのオヤジが浮かない自転車。イタリアンロードレーサーやアメリカンクロスバイクではなく、ヒップなピストでもなく。

散歩自転車として私が選んだのは90年代半ばに生産されたアレックス・モールトンだった。

前の持ち主は、イギリスで買ったがあまり走っていなかったとのことだった。年代にしてはかなりグッドコンディッションだ。劣化していたタイヤを交換し、サドルをブルックスにした以外はさわっていない。
前の持ち主は、イギリスで買ったがあまり走っていなかったとのことだった。年代にしてはかなりグッドコンディッションだ。劣化していたタイヤを交換し、サドルをブルックスにした以外はさわっていない。

My Favorite Shoes

千倉のようなところに暮らしていると、ちょっとしたパーティーなどでもドレスダウンしたスタイルで済んでしまう。というかそのほうが相応しい気がする。そんな時いつも登場する靴がホワイトバックス。これはLLビーンのWalkover社製。白いバックスキンが海辺に合う。ホワイトバックスはオールデンなどの良質なものよりwalkoverのカジュアルさが私は好きだ。

もう一足のお気に入りはリーガルのサドルシューズだ。グレーとブラックのコンビのこの靴はかつてのアイビーブームの時代からあるものだが今また新鮮な印象を受ける。ウチのカミサンが高校生のとき、これと同じ靴を履いていたことを最近知った。そうVANとREGALの黄金時代。

ボトムスはジーンズ(ブルーorホワイト)かチノで決まり。で、上着はブレザーやジャケット(コットンorシアサッカー)にスカーフかボウタイが私の好きなパーティースタイル。これは何十年も変わっていない。

最近話題のストリートファッションのブログ、THE SARTORIALISTは世界のオシャレな親父達が見れて楽しいね。特に日本人のダンディー代表の赤嶺幸生氏は外人の中にいても伊達男ぶりが際立っている。くわえタバコがさまになる男って最近なかなかいないよね。
最近話題のストリートファッションのブログ、THE SARTORIALISTは世界のオシャレな親父達が見れて楽しいね。特に日本人のダンディー代表の赤嶺幸生氏は外人の中にいても伊達男ぶりが際立っている。くわえタバコがさまになる男って最近なかなかいないよね。

コルビュジェのスツール

コートダジュールにある約4坪の休暇小屋で、ミニマムな暮らしを実践していたコルビュジェ。20世紀の偉大な建築家が狭小な小屋でクリエイティブに過ごしていたというところにある種の憧憬を抱く。その舞台となった小屋には、多目的に使える最低限の家具といろいろな工夫が凝らしてある。

以前からコルビュジェが小屋で使っていたスツールと同じ物を作って見たいと思っていた。それは移動しやすいように全ての面に持ち手の穴が開けてあり、高い所の物を取るときには踏み台になり女性でもかなり高い所に手が届く。キッチンの隅にでも置いておけば、椅子代わりや踏み台にサッと移動して使えて便利だ。

5月4日と5日の2日間、「オルネカフェ」で5周年を記念してアニバーサリー・マーケットが開催される。地元作家のガラスや陶器、ハンドクラフトのバッグやアクセサリー、雑貨などの他に農産物なども販売される。「デイズギャラリー」も古道具と、このスツールを出品する。

かなりしっかりとした作りになっていて一生もの。色は部屋に馴染むようアンティーク風塗装にした。昨日、塗装をカフェのデッキで乾燥させていたら、古くからの女性のお客様が「ちょうどこんなしっかりした踏み台を捜していたのよ!」と1つ売れてしまった。なんでも半年前に自宅の踏み台から落ちて、腰を圧迫骨折してしまったのだという。すごいタイミングだった。で、あと3つです。
かなりしっかりとした作りになっていて一生もの。色は部屋に馴染むようアンティーク風塗装にした。昨日、塗装をカフェのデッキで乾燥させていたら、古くからの女性のお客様が「ちょうどこんなしっかりした踏み台を捜していたのよ!」と1つ売れてしまった。なんでも半年前に自宅の踏み台から落ちて、腰を圧迫骨折してしまったのだという。すごいタイミングだった。で、あと3つです。

カワイイ移動住宅達

「MY COOL CARAVAN」という洋書がある。車で牽引する移動住宅(トレーラー)の本だ。これに載っているキャラバンがどれも小さく可愛いものばかり。

こんなキャラバンだったら車で牽引しなくても、どこかに置いて小屋代わりとか週末の棲家とかに使えそうだ。電気や給排水の設備も必要ないだろう。とにかくコンパクトなのがいい。

どのキャラバンもレトロな風情が漂う。室内のヤカンや食器、ファブリックもアンティークっぽい物たちでおしゃれだ。
どのキャラバンもレトロな風情が漂う。室内のヤカンや食器、ファブリックもアンティークっぽい物たちでおしゃれだ。

アンバランスな自然

日本列島が天候不順のツボにハマッテしまっている。

そう、今年に入ってからずっとだ。毎週のようにやって来る低気圧が北風と冷たい雨を降らす。低気圧が過ぎ去ると南西の風と暖かさ。それが交互に来てるみたいだ。

今年は天候異変に見舞われる年となりそうかなと危惧している。現実的な問題として観光客の減少や野菜の高騰がある。稲作にも影響がなければいいが。

いろいろな人のブログにも昨今の天候不順が取り上げられている。しかしこう雨が多いと相変わらずレインブーツは売れ続けるだろう。私もエーグルやハンターが今年こそ欲しい。そして傘も男ならFOXやジェームス・スミス&サンズのような一生物を持ちたいと思う。
いろいろな人のブログにも昨今の天候不順が取り上げられている。しかしこう雨が多いと相変わらずレインブーツは売れ続けるだろう。私もエーグルやハンターが今年こそ欲しい。そして傘も男ならFOXやジェームス・スミス&サンズのような一生物を持ちたいと思う。

君の友だち

冷たい雨の降る中、古い友達に会いに武道館に行ってきた。キャロル・キングとジェイムス・テイラーに会うために。

二人揃ったコンサートを聞けるなんて夢だと思っていた。40年前、まだ中学生だった私は同級生の家で初めて聞いたキャロル・キングの「タペストリー」をいまだに愛聴しているし、ジェイムス・テイラーもサンドカフェの開店以来毎朝欠かさず聞いている。そんな二人が目の前に居るだけで、買い込んだビールの勢いも手伝いウルウルしてしまった。選曲も70年代の古い名曲ばかりだ。

多分、この日来ていた客層の大半を占める40代後半から60代のファンも感慨深い日になったに違いない。

キャロルは「So Far Away」から始まり、アルバム「タペストリー」の曲を次々とあの頃と変わらないグッとくる声で歌い上げてくれた。
キャロルは「So Far Away」から始まり、アルバム「タペストリー」の曲を次々とあの頃と変わらないグッとくる声で歌い上げてくれた。

終盤二人で歌った大好きな曲「君の友だち」はこころに染み渡った。

バラガン邸の美

とてもインスパイアされるDVDを観た。友人のペンションオーナーから頂いたものだ。以前、青山のワタリウムで開催されたメキシコの建築家「ルイス・バラガン」のDVD。

メキシコシティにあるバラガンの自邸と庭は素晴らしい。メキシコの強烈な光の遮光と調光。それによって生まれる陰影。リビングでは、大きな十字の窓枠でワイルドな庭を眺められるが、部屋の隅は昼でも間接照明が必要な暗さになっている。台形の巨大な書見台には大好きなピカソの画集やポスターのほかお気に入りのレリーフ(彫刻)などが置いてある。

光と共にメキシコらしさが際立つのが色彩感覚で、壁に塗られたピンクやイエローがとても映える。光と影、ナチュラルさとビビッドなカラー、モダンな空間構成とワイルドな庭園。コントラストの芸術。

映像の端々に出てくるバラガンの言葉が印象深い。

孤独とは良い友達のことです。私の建築は、孤独を怖がったり、避けたりする人たちの物ではないのです。

静けさは、苦しみと恐れを真に治療します。

私の家は、私の心の避難所です。冷ややかで合理的なだけでない、心を揺り動かす建築なのです。

薄明かりは、精神を集中させることのできる場所と言う考えを表現しています。薄明かりが無くして人間は自身の抱える問題や夢に入り込んで行くことができるのでしょうか。

私は直感、そして読書と旅の間の観察を自身のベースとしています。

庭は、神秘と謎のあるべきものです。

朝7時30分から働き始め、仕事仲間と食事をし午後4時頃に働き終える生活を実践していたと言うバラガン。どこか宗教的ともいえる言葉は、バラガンが熱心なカトリック教徒だったから。
朝7時30分から働き始め、仕事仲間と食事をし午後4時頃に働き終える生活を実践していたと言うバラガン。どこか宗教的ともいえる言葉は、バラガンが熱心なカトリック教徒だったから。

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