アルチザン

朝、店に着くと一人の男がサーフボードを持って待っていた。カミさんのいとこのgakuだった。

gakuはゴールデンオレンジ色のその板を「15周年のお祝いです」と言って私にプレゼントしてくれた。

趣味で板を削っているとは聞いていたが、ここまでやるとは思っていなかったのでその出来栄えの良さに驚くと共にその気持ちに感動した。

カリフォルニアの名シェーパー「リッチ・パヴェル」を彷彿とさせるアウトラインのクワッド(4本フィン)で横にコンペティションストライプが入ったレトロフィッシュ。厚みも結構あるのでロンガーの私でもテイクオフが楽そうだ。

すぐにイマジネーションのスクリーンは、この板に乗った時のサーフィンを映していた。そして使い込んだ数年後の姿もいい感じで投影されていた。

休日は波乗りか仲間のサーフボードファクトリーで粉にまみれているというgakuは繊細さを持つアルチザンだった。……好きなことを趣味でやっている限り、それは楽しさに包まれる。
休日は波乗りか仲間のサーフボードファクトリーで粉にまみれているというgakuは繊細さを持つアルチザンだった。……好きなことを趣味でやっている限り、それは楽しさに包まれる。

きらきら輝いていた

もうずいぶん長い間波の上で漂っていることになる。

19歳の秋、海水浴場の監視員のバイトで稼いだお金で中古のボードを買った。なかなかうまく乗れなかったけれど、海に浮かんでいるだけで、また、自分で組んだスケートボードをプッシュするだけで軽くなれたし乾くことが出来た。世の中がきらきら輝いて見えるマジックサングラスを手に入れた気分だった。

しばらく遠ざかっていた時期もあったが、あの頃のきらきらした感覚をふたたび味わいたくてロングボーダーになって久しい。それからはずっとシングルフィン一辺倒。ボードもお気に入りが1本で充分。たっぷり使い込む。

しかし年をとってしまったのか、世の中が変わりすぎてしまったのか、きらきら輝いて見えることはもうないのかもしれない。

Two on One.カミさんといっしょにテイクオフしたバリの波。二人合わせて百歳オーバー。年々、ロングボードをかついでのトリップがきつくなる。
Two on One.カミさんといっしょにテイクオフしたバリの波。二人合わせて百歳オーバー。年々、ロングボードをかついでのトリップがきつくなる。

ずっと遠い彼方

夏が去って秋が少しずつ深まってくると、どうしても聞きたくなるレコードがある。

キャロルキングの「タペストリー」だ。高校生の頃は「つずれ織り」って言ってた。

遠くに行ってしまった人を想った曲「SO FAR AWAY」や郷愁を誘う「HOME AGAIN」などすべての曲が暖かくそして少し寂しく秋の気分にフィットする。

確か若いときにキャロルキングに師事した五輪真弓のファーストシングル「少女」と言う曲も「つずれ織り」の雰囲気を宿しているすばらしい曲だったのを覚えている。
確か若いときにキャロルキングに師事した五輪真弓のファーストシングル「少女」と言う曲も「つずれ織り」の雰囲気を宿しているすばらしい曲だったのを覚えている。

秋のおすすめコーヒー

サンドカフェの秋のおすすめコーヒーは「タンザニア(エーデルワイス農園)」です。

口の中に広がる軽い酸味、その後にくるかすかな甘いニュアンスの浅煎り豆。

最近、コクのある深煎りタイプのコーヒーを好むお客様が多いのですが、なんとなく気持ちを軽くしたいときなどこのタイプはマッチすると思います。
最近、コクのある深煎りタイプのコーヒーを好むお客様が多いのですが、なんとなく気持ちを軽くしたいときなどこのタイプはマッチすると思います。

初心に帰る

厨房の引き出しを片付けていたら懐かしい本と再会した。店を始めた頃、毎日のように見ていた本だ。

その頃「ウィリアムズソノマ」と言うカリフォルニアの洒落たキッチン用品の店が渋谷東急に出店していて、そこで見つけた本だ。カリフォルニアキュイジーヌのカリスマのアリスが作ったバークレーの「カフェファニー」や「ACME」というパン屋など素敵な店が沢山紹介されている。

カフェで過ごすサンフランシスコの朝のリッチなひと時、みたいな内容に影響されてサンドも9時オープンにしたのだった。(はじめの2年位は、7時30分に店を開けていたっけ)

朝、店でジェームス テーラーの歌声を聞くとあの頃のフレッシュな感覚がよみがえって来る。
朝、店でジェームス テーラーの歌声を聞くとあの頃のフレッシュな感覚がよみがえって来る。

ワインハウス

先日の15周年のライブで、石釜ピザ屋さんから頂いたワインのラベルが可愛いかったので店に飾った。「ステーキハウス」と「フィッシュハウス」のユニークな2本。近いうち空瓶になると思うが……

レコードにも言えるが、ワインもデザインのいいものはだいたい中身もいい。
レコードにも言えるが、ワインもデザインのいいものはだいたい中身もいい。

SIMPLE and DEEP

ヘミングウェイがキューバ時代に書いた「老人と海」「海流の中の島々」は、かなり私の人生に影響を与えた。なぜならサンドカフェのコンセプトがそこにあるから。

男らしい詩情を感じさせるシンプルな文体、それは簡潔ゆえに深く余韻が残る。

ヘミングウェイはキューバで20年以上暮らした。たくさんのネコと数千冊の本と浴びるように飲んだ酒と。

酒好きの彼はフローズンダイキリとモヒートを好んだらしい。そう先日のライブで飲んだモヒートの味は忘れ得ないものになった。

キューバ。いつか行ってみたい。そしてオールドハバナの街中にたたずんでみたい。
キューバ。いつか行ってみたい。そしてオールドハバナの街中にたたずんでみたい。

ああ キューバ

一年の内でもTシャツでいれる季節は、ラテンミュージックがしっくりくる。「ブエナビスタ」に参加しているキューバミュージシャンは皆大好きだ。エブラハム・フェレール、コンパイ・セグンド、ルベーン・ゴンザレス、など。

キューバサウンドを休日の午後流していると、天井のファンがゆっくり回っている冷んやりしたサロンに居て、モヒートを飲りながらシガーをくゆらせている……そんなまどろみにイメージトリップしてしまう。

これら6枚のアルバムは、私の中の定番。上段左から「ルベーン・ゴンザレス」、「アフロキューバンオールスターズ」、「チューチョ・バルデス」この中のG.ガーシュインのラプソディーインブルーは最高。大音量で聞いて欲しい。下段左から「チャーリーへイデン」の「ノクターン」これは傑作だと思う。真夏の蒸し暑い夜にぴったり。キューバのゴンサロ・ルバルカバが参加。そしてキューバの歌姫2人「オマーラ・ポルトォンド」と「グロリア・エステファン」クラッシックとモダンの2人。

グロリアの「ミ・ティエラ」は長年の愛聴版。甘くかぐわしい酒ラムのような1枚。
グロリアの「ミ・ティエラ」は長年の愛聴版。甘くかぐわしい酒ラムのような1枚。

小さな奇跡

私の憧れの店「ハリーズバー」では、毎夜小さな奇跡が起きるという。5日の15周年のラテンライブはまさにそんな感じだった。

いろいろなファクターがひとつにぎゅーっと凝縮した感じ。天気、飲食、音楽、そして人。

たくさんのお客様に来ていただいたので、サンセットガーデンパーティー風にして飲食を楽しんでいただいた。外にもスピーカーとスクリーンをセットしたので心地よい風に吹かれながら聞いていた方々も少なくなかった。

私はと言えば、演奏のすばらしさに主催者ながら我を忘れて踊りまくってしまいました。

大好きなグロリアやオマーラの曲が次々と演奏され、キューバ時間を体験できた夜となった。 special thanks:ハウスギア様 ヘルスフリーダム様 コア様
大好きなグロリアやオマーラの曲が次々と演奏され、キューバ時間を体験できた夜となった。
special thanks:ハウスギア様 ヘルスフリーダム様 コア様

黄昏派

決って休日の夕暮れ時は、自分の部屋の明かりをつけずに過ごす。いつもより少し早めのお酒を飲みながら。

家族は暗い部屋で一人居る私を不審がるが、宵から闇に変化していく空の光景を楽しんでいるにすぎない。

少しずつ暗くなり、それにつれて少しずつ灯りをつけていく家々。一度に家の中を明るくしてしまったらもったいない。昔行ったカーメルの街はそうだった。
少しずつ暗くなり、それにつれて少しずつ灯りをつけていく家々。一度に家の中を明るくしてしまったらもったいない。昔行ったカーメルの街はそうだった。

夏の終わりのカフェ巡り

いろいろな土地に、いろいろなカフェがある。地方の気になるカフェを訪れるのが夏の終わりの楽しみになっている。……カフェは旅の目的になり得る……

昨年は、益子とひたちなか市。その前は結城と鹿沼、当然黒磯も入ってくる。今年は、さいたま市と群馬の桐生だった。カフェ好き、コーヒー好きなら店の名はわかるはず。

それにしても千倉はこの10年で随分カフェが増えた。旅人がカフェ巡りをしてくれる町になったら素敵だと思う。

コーヒーの味やインテリアはもちろん、そこに流れている空気感が大切。それは積み重ね、堆積の結晶。
コーヒーの味やインテリアはもちろん、そこに流れている空気感が大切。それは積み重ね、堆積の結晶。

剣先グラス

大正時代から昭和初期にかけて生産された「剣先グラス」と言うコップがある。気泡が入り、少しゆがんだフォルムが好きで骨董市などで出会うたびに買ってしまう。カット面が剣の先の形に似ているため名前がついたらしい。お酒はほぼ毎晩飲むが、ワイン・燗酒以外はこのグラスの出番が多い。

陶磁器もそうだが、どこか不完全なところに結構魅力を感じてしまう。
陶磁器もそうだが、どこか不完全なところに結構魅力を感じてしまう。

サマーピンク

最近、ピンクフリークの女性から「きれいなピンクの花が咲いている木を時々見かける」と聞いた。話の様子から「さるすべり」の木だとピンと来た。

名前のとおり落葉した姿はツルツルの木肌になってしまいちょっと寂しいが、夏は花が満開になり見ごたえ充分となる。私は勝手にこの花を「サマーピンク」と呼んでいる。

自宅の「さるすべり」。風に乗って花びらがいっぱい部屋に飛んでくる。
自宅の「さるすべり」。風に乗って花びらがいっぱい部屋に飛んでくる。

文人ライフ

文人と言われる人達がいた。中国の明、清の時代の粋人達だ。文人は音楽、芸術、造園、インテリア、喫茶と幅広い趣味、いやそれが人生のテーマのごとく日常を美しく暮らしていた。今で言うスローライフだ。

彼らは文房と呼ばれる部屋で、書をたしなみ庭を眺め喫茶を愛した。その時代の書聖で「八大山人」は私の好きな書家の一人。

日本でも私の憧れる文人が数多くいる。時代はさまざまだが吉田兼好、鴨長明、池大雅、そして北大路魯山人など。

気ぜわしく日々が過ぎてゆく今を生きていると、ますます文人ライフに憧れが強くなる一方だ。

ツレズレナルママニ、簡素に、私らしく生きれたら無上の幸せ。
ツレズレナルママニ、簡素に、私らしく生きれたら無上の幸せ。

LIVE!

サンドカフェ15周年を記念して、日本のラテンミュージックを代表するメンバーのスペシャルユニットによるラテンのライブを行います。

9月5日(土):open 4:30pm(start 5:30pm)
前売り:5000円(当日6000円)1drink&some foods
出演:須永アリサ(vocal)
奥山 勝(piano)
高橋ゲタ夫(bass)
田中倫明(percussion)
定員:35名様
※チケット、ご予約はサンドカフェまで(0470-44-5255)
※当日、カフェの営業はお休みさせていただきます。

友人がブラジル風バーベキューを振舞ってくれるそうです。また鹿児島の地ビールを提供してくださるご夫妻もいて、食の楽しみも加わりそうです。飲んで食べて踊って……
友人がブラジル風バーベキューを振舞ってくれるそうです。また鹿児島の地ビールを提供してくださるご夫妻もいて、食の楽しみも加わりそうです。飲んで食べて踊って……

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